Liella!、『ラブライブ！スーパースター!!』2期放送を前に辿る2年間の軌跡　新メンバー迎えた今後は？

　『ラブライブ！スーパースター!!』（NHK Eテレ）のTVアニメ2期が7月17日より放送がスタートする。1期では徐々にメンバーが集まりLiella!を結成、スクールアイドルの頂点を目指して「ラブライブ！」に挑戦する姿が描かれた。2期ではメンバーが2年生に進級し、1年生4人がグループに新加入。新たな思いで活動をスタートさせる。『ラブライブ！』シリーズでは、これまでμ’s、Aqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会といった人気グループを輩出してきたが、メンバーが当初は5人であったことや、劇中でメンバーが進級することなどシリーズ初の試みが多く、また虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に続きメンバーが途中増員されて9人になることも話題となっている。2期放送前に、これまでのLiella!の活動をおさらいしたい。

　Liella!は、伊達さゆり（澁谷かのん役）、Liyuu（唐可可役）、岬なこ（嵐千砂都役）、ペイトン尚未（平安名すみれ役）、青山なぎさ（葉月恋役）の5人で結成。昨年1月にお披露目、2月からYouTubeチャンネルで活動をスタート。アニメ『ラブライブ！スーパースター!!』の放送に先駆けて、4月にシングル『始まりは君の空』でCDデビューした。表題曲は、柔らかく包み込むような青山、可愛らしくどこかイタズラっぽさを感じさせるLiyuu、力強く真っ直ぐなペイトン、元気で明るい岬、そしてどこか切なさを携えながらエモーショナルに感情をぶつける伊達と、5人の個性溢れる歌声が融合を見せ、これから始まろうとする物語に対する期待を胸に、力強い一歩を踏み出した楽曲となった。

　以降の楽曲は『ラブライブ！スーパースター!!』という物語に寄り添いながら、その時のメンバーの心情や状況を表したものになり、各音楽ランキングを賑わせ、キャラクターソングという枠を越えて人気を博した。

　物語は、日本のスクールアイドルに憧れて中国から来日した唐可可が、澁谷かのんの歌声に聴き惚れ「一緒にスクールアイドルをやろう」と声を掛けたところから始まる。人前で歌うことにコンプレックスを感じていたかのんだったが、可可に背中を押されてスクールアイドル活動をスタートさせる。「Tiny Stars」では、一歩を踏み出したかのんの気持ちと、一緒に夢を見たいと願う可可の思いが歌われた。2人のハーモニーが実に美しく、爽やかながら胸をギュッと締め付ける切なさが、聴く者を魅了した。

　嵐千砂都が加入した時は、かのん、可可、すみれ、千砂都の4人で「常夏☆サンシャイン」が歌われた。幼少時代いじめられていたところをかのんに助けられ、それ以来かのんの隣に並んで立てる強い自分になりたいと願っていた千砂都。当初はかのんたちを見守っていたが、ダンス大会で優勝して自信をつけ、晴れて活動に合流した。かのんと千砂都がWセンターを務めるサンバ調の同楽曲では、水しぶきと太陽の光がキラキラと乱反射するような海の情景と共に、2人の熱い思いが歌われた。

　葉月恋が加入し、5人となって歌われた「Wish Song」も魅力的だ。当初はかのんたちのスクールアイドル活動に否定的だった恋だが、彼女たちが通う結ヶ丘女子高等学校の創設者であった母親の思いに気づき、自らも活動に参加することを決める。「Wish Song」は、ワルツやバラードのような優雅さを携えながら、自分の胸の内にある熱い思いに応えていくような楽曲。メンバー5人の絆を五線譜になぞらえた歌詞が秀逸だ。

　また、「ノンフィクション!!」は平安名すみれによるセンター曲で、「ラブライブ！」の地区予選のテーマがラップだったことを受けて制作された。キレのあるすみれのラップと、ビッグバンドジャズのサウンドが融合した一曲だ。すみれは可可、かのんに続く3人目のメンバーで、スクールアイドル活動が気になりながらも、プライドが邪魔をして素直になれないでいた。そこへ手を差し伸べたかのん。可可とは張り合ってばかりだが、最後には可可もすみれを認め、手作りのティアラをすみれにプレゼントしたというストーリーも感動を呼んだ。