Rockon Social Club『Don't Worry Baby』ツアー完走 多彩なバンドの芯にある揺るぎないもの

RSC、ガーデンシアターレポ

 中盤以降、ライブはなんでもありの状態に突入する。まず、メンバーがはけたかと思ったら、ナレーションでコント風のやりとりが繰り広げられ、衣装チェンジしてステージに再び現れたメンバーは楽器を持っていない。すかさず打ち込みのサウンドが流れ、テクノポップの「ドント・ウォーリー」(『Don’t Worry Baby』初回生産限定盤のみに収録のボーナストラック)を振り付きでパフォーマンス。オーディエンスも速攻で振りをマスターし、会場は異様な一体感となった。

「ほんとに何でもやるね(笑)」(岡本)
「僕ら以外、こんなに何でもできるバンドいないでしょ! これを極めますから」(前田)

 その言葉通り、次に披露したのはアカペラの「ただいま」。長い沈黙を挟んでの男闘呼組の再結成、解散、そしてRSCに受け継がれていくストーリーから導かれる素直な気持ちを声だけで表現した曲だ。最後にオーディエンスが「おかえり」と言って完成する。

 最新アルバムから珠玉のバラードを立て続けにパフォーマンスしたあとは、「Go To Hell」や「I♡R&R」といった、これぞRSCというハードなナンバーを固めて投入。改めて感じたのは、これほどストレートなロックをやる潔いバンドは今やそれほど多くないということだ。その意味で、RSCはたしかに何でもできるし実際やっている、けれどその芯には間違いなくスタンダードなロックがある。多彩だからこそシンプルなバンドだと言える。

 アンコールに応えてステージに出てくると、成田が出演しているCMをいじったりするわちゃわちゃから一転、6人全員で競争をしているかのように4曲を一気に駆け抜けていった。

 バンドで音楽をやることのできる尊さを知っているからこそ彼らはその歩みを止めない。東京ガーデンシアターから始まったツアーは12月20日の大阪フェスティバルホールでファイナルを迎えたが、彼らの活動はまだ始まったばかりだ。

■セットリスト
1.LIFE
2.ザ・ファイター
3.ゲームチェンジャー
4.Foxy Lady
5.PARTY
6.恋人がサンタクロース
7.Sweet Devil Woman
8.Te querrá mucho
9.ドント・ウォーリー
10.ただいま
11.神宮前ボーイズ
12.足長くないおじさん
13.ねぇ、そろそろ
14.ヨッテタカッテ
15.Go To Hell
16.I♡R&R

<ENCORE>
17.何処にもいかないから
18.自分勝手
19.BACK IN THE CITY
20.Rolling Thunder Baby

■リリース情報
LIVE Blu-ray&DVD
男闘呼組「LAST FOREVER」
2024年3月15日(金)発売

Blu-ray(3枚組、BOX仕様):¥22,000(税込) TYOR-3003
DVD(3枚組、BOX仕様):¥18,000(税込) TYOR-3006

発売元:TOKYO RECORDS
販売元:株式会社ローソンエンタテインメント

<収録内容>(予定)
DISC-1:2023.8.25(金)@日本武道館
DISC-2:2023.8.26(土)@日比谷野外大音楽堂
DISC-3:ドキュメンタリー映像
※内容等変更になる場合あり

2023年8月に日本武道館と日比谷野外大音楽堂で行われたライブ映像を収録したディスク2枚に1年間の軌跡を追ったドキュメンタリー映像を収めた特典ディスクを加えた豪華3枚組BOX仕様。さらにライブ写真を中心としたブックレットも封入予定(※この商品はLoppi・HMV限定販売。他の店舗やECサイトでは購入不可)

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