SixTONES、「人人人」から「アンセム」までの歩み 4大ドーム公演に向けた重要楽曲に
2023年のSixTONESの快進撃は本当に圧巻だった。1月に、3枚目のアルバム『声』をリリースすると同時に、全国ツアー『慣声の法則』をスタート。その初日に、ツアーの追加公演として京セラドーム公演2days、東京ドーム公演3daysを発表した。それは彼ら6人とファンにとっての悲願の単独ドーム公演であったが、彼らは感慨に浸る間もなく、むしろさらにアクセルを踏み込むかのようにして、ドーム公演の直前に、シングル表題曲史上最も攻めた楽曲「ABARERO」をリリースする。東京ドーム公演の模様を収めたライブ映像作品『慣声の法則 in DOME』のツアードキュメントの中で、田中樹は、ドーム公演をゴールではなく一つの通過点として位置づけたいという旨の発言をしていた。その言葉のとおり、彼らは、のべ52万人以上を動員したツアーを見事に完遂した後も、『こっから』『CREAK』と連続してシングルを切りながら、2023年を破竹の勢いで駆け抜けてきた。
そして先日、2024年1月10日に4枚目のアルバム『THE VIBES』をリリースすることが発表され、12月1日には、そのリード曲にあたる「アンセム」のMVがYouTubeで公開された。まず驚かされるのが、「アンセム」という曲名である。
SixTONESのファンの中には、このタイトルに「Boom-Pow-Wow!」(『声』収録曲)における〈俺らのアンセム〉という歌詞をまっさきに想起した人も多いのではないだろうか。“アンセム”という言葉の意味は、「(国家・組織などの)賛歌、代表歌、国歌」であり、ポップミュージックの世界では、普遍的な輝きを誇る名曲をロックアンセムやポップアンセム、フロアアンセムなどと称することがある。また、アンセムというワードから、スポーツ観戦やライブの会場で観客が大合唱する光景を思い浮かべる人も多いと思う。例えば、サッカーワールドカップの中継テーマ曲に起用されたDragon Ashの「Fantasista」やKing Gnuの「Stardom」が象徴的なように、勇壮なコーラスパートに無数の観客の声が重なる時に生まれる一体感と高揚感は、まさにアンセムが与えてくれる至高のライブ体験だ。今回のSixTONESの新曲「アンセム」MVのYouTubeの説明欄に記載があるように、今作の重要な要素の一つが「大地を揺さぶるシンガロング」。イントロ、間奏、アウトロに設けられたコーラスパートには、ファンの声を聴かせてほしいというメンバーたちの想いが滲んでいるように思う。