香取慎吾のビートたけし役に絶賛の声 明石家さんまとの“関係”への理解が鍵に

 言葉少ないビートたけしの心情を、香取はどうしてそこまで汲み取ることができたのか。それは、香取が活動していたSMAPというグループもまた多くを語り合わないメンバーの集まりだったことも大きいように思った。

 明石家さんまとビートたけしが電話で話したのは、ビートたけしが活動休止という大ピンチに見舞われたときのたった一度だけ。そして、ふたりでプライベートで飲むのも『オレたちひょうきん族』が終わってから30年間なかったという。

 それでも、彼らの間には「いつかふたりでコントを」という戦友としての固い絆があり、その特別な関係性はどれだけ時代や状況が変わったとしても消えることがない。そんなビートたけしと明石家さんまの繋がりに近い関係性を、香取自身も知っているように思えてならないのだ。

 そのひとつとして思い出されたのが、今年4月30日に放送された『まつもtoなかい』(フジテレビ系)に香取がゲスト出演し、入院していた中居正広に連絡を取っていたと明かしたエピソード。他のメンバーは香取が中居に連絡していたことを知らないはずだと言い、「昔から僕らこういうのないじゃないですか」ともともと頻繁に連絡する間柄ではなかったことも強調して笑いを誘っていた。

 そのある意味、身内にさえ秘密めいた結びつきは、あれほどサービス精神旺盛にトークを繰り広げる明石家さんまが、ビートたけしから受け取った手紙について「いろいろあって……」と最後までその内容に触れずに終わった雰囲気にも少し似ている気がした。

 人々を笑顔にしたい。だからこそ、しんみりしたところは見せたくない。大げさに言葉にしたり、表立ってアピールしなくても、大切な関わりは何十年と経っても消えることはないし、“いつかまた”を信じ続けることができる。香取がビートたけしの物言わぬシーンを説得力を持って演じることができたのは、そんな芸能界で命を燃やし続けてきたスターたちの男気が共鳴した結果なのかもしれない。

香取慎吾、『【推しの子】』は人生そのもの アイドルとして“嘘”と“愛”を守り抜く強さ

香取慎吾が『【推しの子】』を読み、YouTubeコンテンツのなかで自らの人生と重ね合わせた。レジェンドアイドルの香取が、アイドル…

草彅剛&香取慎吾、ケンカは「一度もしたことがない」 “しんつよ”35年以上の稀有な関係性

芸能界のなかでも、屈指の仲のよさで知られている草彅剛と香取慎吾。11月5日放送の『ななにー 地下ABEMA』や、ふたりでパーソナ…

関連記事