コアラモード.自分たちらしい曲作りへの自信 集大成と楽しみな未来が詰まった5年ぶりアルバム

あんにゅ、曲が書けなかった時期を経て取り戻した“らしさ”

――2023年に配信リリースされた最新曲としては「ビデオテープ」が収録されていますが、これも名バラードですね。

あんにゅ:曲自体は2013年くらいからあるものなんですけど、コアラモード.結成10周年というタイミングで出したいなという気持ちがありました。この10年歩んできて、良いことも悔しかったこともたくさんあって全部は肯定しきれないんですけど、1個1個積み重ねて、今の自分たちがこうして笑顔で立っているということをライブで噛み締めながら歌っています。

小幡:11月から始まる全国ツアー(『THIS IS COALAMODE.!!2023 ~Blue Moment Tour~』)も、アルバムのリリースツアーではありますが、結成10周年のタイミングでもありますし、ファン感謝祭みたいな気持ちで回れたらいいなと思っています。みんなに感謝を伝えることが、これからもコアラモード.を続けていく理由の1つというか、意義だなと思っています。

コアラモード.『ビデオテープ』

――この5年においても音楽の聴かれ方は大きく変わったと思いますが、そんななかでもコアラモード.は伝えたい想いをポップスでしっかりと鳴らしていくんだというまっすぐな強さを、あらためて感じさせてもらった作品だと思います。ご自身たちとしては、この時代における音楽制作に対するこだわりはどのようにお持ちですか。

小幡:もう5年どころではなく、この10年、15年でどんどん変わってきて、そもそも音楽シーンにメインストリームがない時代になったと思うんです。それぞれに好きなものが多様化して、いわゆるお茶の間みたいなものが定義しづらくなってますよね。自分たちがコアラモード.を始めた時って、もっと歌詞ありきの音楽が主流で、テレビの字幕の歌詞を追いながら音楽を聴いていた時代だった気がするんですけど、時代が変わって、歌詞が音に近くなってきているような感覚があります。そんななかでも自分たちは、歌詞においてどうしてこの言葉を選んだのかをちゃんと説明できないとダメだよねってスタッフの皆さんとも話し合って、何度も歌詞を書き直しながら制作してきました。なおかつ、あんにゅの歌も歌詞カードがなくても歌詞が届くような歌い方を心がけてきたんです。そういう言葉ありきの音楽作りっていうのを、今の時代においても愚直に続けてきてる中で、周りにそれをやってる人が減ってきたのかなって感じもしています。

あんにゅ:そうかもしれない。

小幡:でも自分たちは自分たちのスタイルで、柔軟に今のサウンドにも順応できるし、言葉を届けることに重心を置きながらコアラモード.らしくこれからも続けていきたいと思っています。たぶんこういう音楽を好きでいてくれる人はまだまだいっぱいいると思うんで。

――自分たちが良いと思ったものを信じて生み出していくってことですね。あんにゅさんはどうですか。

あんにゅ:この5年の間に邦楽でもいろんな新しいアーティストが出てきて、時代が変わったなって思ったんですけど。私自身、何が良い曲なのかわからなくなったり、自分が作ってるものはダサいんじゃないかとかいろいろと余計なことを考えて、曲が書けなくなってしまったこともありました。でも、まわりまわってちゃんとメッセージを届けるってことと、この音カッコいいなっていう感覚を一つひとつ丁寧に積み重ねていれば、どんなジャンルでもちゃんとカッコいい楽曲作りができるなって思うようになりました。洋楽の要素をたくさん取り入れたJ-POPもカッコいいと思うし、私たちも取り入れている部分があるから、その狭間にいるバランス感が今回のアルバムかなって思います。なので『COALAMODE.4』ではどうなってるのかな? っていう部分も期待してもらえるような、未来が楽しくなるようなアルバム作りができたなと思っています。自分たちで「J-POP」っていうのも不思議な感覚ですけど、やっぱり今後もそこにこだわりながらしっかり作品を届けられたらいいですね。

「ゆ~かりチャンネル」で味わえるギャップ

――では最後に、YouTubeで開設された「コアラモード.の『ゆ~かりチャンネル』」についてもお聞きしたいんですが。

あんにゅ:わー、今まで緊張してたので「ゆ~かりチャンネル」の話を先にしていただいたらもっと喋れたかも(笑)。

――(笑)。あんにゅさんのマイペースな言動と、小幡さんの落ち着いたツッコミが、見ていてとても楽しいです。

小幡:ありがとうございます。「ゆ~かりチャンネル」は自分たちで好き勝手やらせてもらってるだけなんですけど(笑)。これまでラジオ番組(『YOKOHAMA RADIO APARTMENT「ゆ~かりナイト」』/FMヨコハマ)を長くやらせていただいているなかで、コアラモード.の音楽を聴いてくださる方も増えてきて。音楽を届けることは大事な軸ですけど、そういう切り口で僕たちのことを好きになってくださる方がいらっしゃるなら、自分たちのパーソナルな部分を皆さんに知ってもらえる入り口があったら面白いんじゃないかと試しに始めたのが、「ゆ~かりチャンネル」なんです。

【暴走!】あんにゅ劇場【いきなり人形劇】

あんにゅ:もともと私たちはデビュー当時なんてライブのMCでも全然喋れなくて。ステージに立っているのにこんなこと言うのもなんですけど、私は人前に出るのがそんなに得意でもなかったので、MCで緊張しすぎて「すみません、すみません」って何度も謝ったりしていました。でもFMヨコハマの番組で喋らせていただくようになって、だんだん鍛えられてきて。私と小幡さんの息は合ってはいないんですけど(笑)、楽しく話せるようになってきました。YouTubeではもう本当に何気ない日常とふざけてる様子を撮ってるんですけど、皆さんに楽しんでいただいているみたいなので、これからも頑張ります。私はこれまで海に足をつけたことがなかったので、まずは小幡さんと海に行ってみようっていう撮影をしたんですけど、海に緑色の海藻が広がってて入れなくて……。

小幡:結局、あんにゅが海に足をつけられないまま秋になっちゃいましたね(笑)。

――おふたりの魅力が満載なので、YouTubeでもぜひバズってほしいですね。

あんにゅ:ライブではちゃんとした歌をお届けしますので、ギャップを楽しんでもらえたらと思います(笑)。

【一面に広がる緑】あんにゅ、生まれて初めて海に足をつける!?
『COALAMODE.3 ~Blue Moment~』

■リリース情報
コアラモード.『COALAMODE.3 ~Blue Moment~』
10月25日(水)リリース
初回生産限定盤(三方背ケース+DVD):¥3,800税込
通常盤:¥3,300税込
<収録曲>
1 ネモフィラ
2 ラッタッタラッタ
3 アンダンテ
4 わたしの願いごと
5 思い出コレクション
6 雨上がりには好きだといって
7 ユラユラリカ
8 ビデオテープ
9 ビューティフルデイズ
10 I‘LL BE
11 カンパイ!
12 あなたに会えて
13 はるつげどり

■ツアー情報
『THIS IS COALAMODE.!!2023 ~Blue Moment Tour~』
11月05日(日)南堀江knave(大阪)開場・開演/15:30・16:00
11月12日(日)CLUB CITTA'(川崎)開場・開演/15:30・16:30
11月18日(土)HeartLand(名古屋)開場・開演/17:30・18:00
11月26日(日)仙台ROCKATERIA(仙台)開場・開演/15:30・16:00
 チケット代:4,500円(税込)ドリンク代別/当日券5,000円(税込)
一般発売中

コアラモード.オフィシャルサイト

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