鷲尾伶菜としての自信に満ちた表現 音楽に向き合う純粋な楽しさが溢れた『For My Dear』を語る

「カバーによって成長させてもらえている部分が多い」

――CD2にはこれまでに歌ってきたカバー曲が10曲収録されていますが、思い入れの強い曲を1つ挙げるとしたら?

鷲尾:もちろん全部好きだし、そもそも好きな曲しかカバーしていないんですけど……強いて1曲選ぶとしたら、平井大さんの「Stand by me, Stand by you.」ですね。この曲は自分の親友が結婚した時期に、おめでとうの想いを込めてカバーして、その子が観に来てくれたライブでも実際に歌ったんです。そういう嬉しい思い出のある曲ですし、私の持ち曲にはない表現が詰まっているという意味でも、特別な1曲だなと思います。

――いつもカバー曲を選ぶ際は、何を基準にしているんですか? “好き”の気持ちは大前提として。

鷲尾:割とリアルタイムで良いと思った曲をカバーしてますね。例えば、私はアニメが好きなので、その時ハマってるアニメの主題歌とか(笑)。ただ、もう結構たくさんの曲を歌ってきたから、次何をカバーしようかな? って、いつも探している状態で。皆さんからのリクエストも、随時募集しています。

Stand by me, Stand by you./平井大 [Cover]

――人から勧められた曲を歌ってみると、また違う発見がありそうですね。

鷲尾:そうですね。カバーを機に、これまで漠然と聴いていた音楽を分解してみると、意外とこういうふうにできてたんだ! って発見することが多いんですよ。自分で歌ってみないと分からないことって、たくさんあるんだなと実感します。しかも、歌っていくうちに、その曲をもっと好きになることもよくあるので、カバーによって成長させてもらえている部分が多いなって思いますね。

――では、話をCD1に戻して。楽曲を作る際に、カバー企画の影響を感じた収録曲はありますか?

鷲尾:タイトル曲の「For My Dear」は、カバー企画の影響が強いですね。JTのCMでキヨサク(MONGOL800)さんの「想うた~親を想う~」という曲をカバーさせていただいたんですが、あの時の歌い方は今までの私にはない表現だったんです。これまでは細部まで作り込む曲が多かったので、気負わずに自由に歌うというのをやったことがなくて。でもやってみたら、意外と自分にしっくりきて。自分でもこういう曲を作ってみたいと思ったことから、「For My Dear」ができました。

――また、「Photogenic Boy feat. Tokimeki Records」(作詞 : Kei Owada/作曲 : Tokimeki Records, Kei Owada)は、鷲尾さんが「強く儚い者たち」をカバーした際に楽曲プロデュースを手掛けたTokimeki Recordsさんの楽曲です。

鷲尾:最初にタッグを組ませていただいた時、「強く儚い者たち」って、Tokimeki Recordsさんが選んでくださったんですよ。私ももともとCoccoさんが好きだったんですが、私に似合う曲として勧めてくださったんです。その結果、オリジナルの良さも残しつつ、私らしさも上手く融合できて。曲選びにしてもアレンジにしても、私のことを客観視して、すごく分析してくださっているのを感じました。今回の「Photogenic Boy」も、私が好きな80~90年代のサウンド感を全面に出した仕上がりですし、ソロでは歌ってこなかったジャンルなので、アルバムの中で異彩を放つ1曲になっています。

強く儚い者たち/伶 [Official Lyric Video]

――Tokimeki Recordsさんから、「こういう雰囲気で歌ってほしい」とリクエストされたことはありましたか?

鷲尾:あったかな……? すっごい褒めてもらった記憶しかないので、たぶんなかったんだと思います(笑)。でも私、テイクごとに歌い方を変える癖があるんですよね。同じことができないから、「2個前と同じように歌って」って言われてもできない。だから「Photogenic Boy」は、私が数テイク歌った中から、曲と上手くはまった部分を選んで繋いでくれたんじゃないかなと思います。

――7月のリクエストライブで披露された先行配信曲「So Addictive」(作詞:姜藝利、TSINGTAO、YAGO/作曲:姜藝利、YAGO、TSINGTAO/編曲:YAGO、TSINGTAO)も、ライブという空間でバンドが加わったことで、より熱を帯びた歌声になっていましたし、何回聴いても発見があるという。

鷲尾:そうですね。「So Addictive」は「With ensemble」というYouTubeチャンネルに出演させていただいた際にも披露したんですが、それは生楽器オンリー、生声オンリーで届けたんですよ。アレンジもちょっとジャジーなアレンジにしてみて。その時に自分でも「こういうアレンジもハマるんだ!」って驚いたので、今後さらにブラッシュアップしていけたらいいなと思っています。それ以外の新録曲も、ライブでは毎回バンドアレンジにこだわっていたりするし、11月には『Reina Washio Billboard Live』も控えているので、音源からどう変わっていくか、楽しみにしていてほしいですね。

So Addictive/伶 [Official Lyric Video]

――では最後に、『Reina Washio Billboard Live』への意気込みを伺おうと思うのですが、披露するのが楽しみな楽曲は?

鷲尾:(収録曲を眺めながら)やっぱり、「For My Dear」かな。あと「Say No」(笑)! 生歌になると音源とはイメージが変わると思うし、自分にとっても未知の楽曲なので楽しみですね。Billboardは私の音楽性にはまる会場だなという印象があって、ホームのような感覚があるんですが、今回のライブでも、素敵な空間でお酒を嗜みながら、音楽に酔いしれてもらえたらいいなと思います。特に失恋した方は、刺さる楽曲が多いと思うので、ぜひ遊びにきてください(笑)。

■リリース情報
『For My Dear』
2023年10月11日(水)発売
初回生産限定盤(2CD+Blu-ray):¥8,250(税込)
初回仕様限定盤(CD):¥3,300(税込)

CD購入:https://smar.lnk.to/cLHDj5
配信:https://smar.lnk.to/Dadxg6

【CD1】
1 銀色
2 So Addictive
3 Say No
4 煌めき
5 強く儚い者たち
6 残留思念
7 Noisy
8 Always I'm into you
9 Photogenic Boy
10 For My Dear
【CD2】
1 Stand by me, Stand by you
2 Oz.
3 怪獣の花唄
4 Hello Again~昔からある場所~
5 君がくれた夏
6 恋だろ
7 プロローグ
8 やさしいキスをして
9 最後のサクラ
10 粉雪
【Blu-ray(初回生産限定盤)】
・『Reina Washio SPECIAL REQUEST LIVE in KT Zepp Yokohama』
・「銀色」Music Video

■ライブ情報
『Reina Washio Billboard Live』
11月7日(火)ビルボードライブ大阪
16:30開場、17:30開演
19:30開場、20:30開演

11月13日(月)ビルボードライブ東京
16:30開場、17:30開演
19:30開場、20:30開演

11月14日(火)ビルボードライブ東京 <追加公演>
16:30開場、17:30開演
19:30開場、20:30開演

11月16日(木)ビルボードライブ横浜
16:30開場、17:30開演
19:30開場、20:30開演

鷲尾伶菜 Official Site

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