星街すいせい、野外ロックフェス出演は偉大な一歩 VTuberの裾野を広げる開拓者としての姿
語るまでもなく、星街すいせいの歌声は圧倒的な存在感を持っており、ここまでの大ブレイクを呼び込んだ何よりの要因だ。
古今東西素晴らしいシンガーやボーカリストがいるが、彼らを「歌がうまい」と感じるのはさまざまな要素が絡み合う。明るい、優しい、暗い、柔らかい、硬いといった声の質感、ハイノートとローノートをどれだけ出せるかという音域の幅、歌詞・メロディ・リズムの関係性を受け取って最大限の表現できるテクニックなどいくつもある。
筆者が星街すいせいを評するならば、しゃくるようにロングトーンを出した際の力強さ、さまざまなタイプの楽曲・サウンドでも負けない線の太い声、すこし低めの声でもハイノートまで楽々届く音域と明瞭な発音……そのパワフルな歌声とボーカリゼーションは、声優としてさまざまな"史上初"を達成しきた水樹奈々に重なっても見える。
筆者は今年3月に開催された『hololive 4th fes. Our Bright Parade Supported By BUSHIROAD』内で開催された「holo*27 stage」のライブレポートを担当し、彼女の歌声を生で聴いた。折り重なっていく星街のボーカルとコーラス、星や銀河をイメージしたステージ演出と相まって、「星街すいせいの声が銀河の星々となった」光景がそこに広がっていた。
デビュー時から彼女は「日本武道館でライブを開催すること」を目標に掲げ、VTuberの活動を地道に続けてきた星街すいせい。YouTubeで大きなバズを引き起こし、テレビやラジオ番組での特集や出演、音楽フェスでのトリを務めるなど、この1年ほどで彼女は加速度的に注目を集めている。
今後はバーチャルとリアルの境界がより曖昧になる時代が到来するだろうが、その最前線を走るのは星街すいせいなのかもしれない。
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