One Directionの後継者不在のUK音楽シーン No Guidnceは男性ボーカルグループの未来を担いうる存在となるか

UK男性ボーカルグループの未来

 No Guidnceは、SNSを通じて現在のメンバーを集め、2021年に4人体制で結成された。アッシャーなどの楽曲カバー動画をTikTokで公開しているうちにフォロワーは270万人に急増。デビューEP『Is It A Crime?』からタイトルトラックを聴くと、均等に刻まれる8ビート中、Boyz II Menのようなコーラスワークがじわ〜っと染み入る。かと思えば、ソロパートでそれぞれの声色が緊張と弛緩を絶妙に繰り返す。同曲はヴィクトリア・モネによるソングライティング。彼女との仕事がInstagramのダイレクトメッセージから実現した事実はいかにもアクチュアルである。

@noguidnce Usher or Ne-Yo? #climax #usher #noguidnce #rnbvibes ♬ original sound - NO GUIDNCE

 Instagram更新もマメそのもの。先日の投稿ではマヘリアのニュー・アルバム『IRL』リリースツアーに参加することが発表された。マヘリアと各地を廻ることでさらに知名度をあげてほしい。

 マヘリア、ジョルジャ・スミス、エラ・メイ、そしてFLOなど、UK発の女性シンガーが続々と世界へ送り出されている一方、近年はどうも男性ボーカルグループが俄然弱い。USではBoyz II Menのワンヤ・モリスの息子4兄弟によるWanMorやトロイ・テイラーが手掛けた「Love More」をデビューシングルとする5人組・Pop Moneyなどのグループが活躍しているが、UKはなぜか。

 ロンドン出身の4人組・PREPは日本でも人気だが、今年は数カ月ごとにコンスタントに新曲をドロップし頼もしい限りのNo Guidnceにこそ、ぼくはUK男性ボーカルグループの未来を託したい。4人体制のまま依然として活動休止状態のOne Directionとは気質もフィールドも違うが、むしろこのR&Bフォーピースに後継の座をあっさりすげ替えるだけで活気が戻る気がする。

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