ももいろクローバーZの可能性を広げてきた名ギタリスト マーティ、イングヴェイ、布袋寅泰、和嶋慎治……輝かしい共演歴

 メタル界隈では国内外で名前が知れているマーティ、そして世代を超えて愛され続けるギタリスト/アーティストの布袋とのコラボが成功したこと。完全なるアウェイな環境の『Ozzfest Japan』でのアイドル然としたパフォーマンスの中に、和嶋との共演をフィーチャーすることでロックファンとの共通項を提示したこと。これらのトピックはももクロの音楽性をさらに広げる要因にもなり、2015年にはアメリカを代表するロックバンド・KISSとのコラボシングル曲「夢の浮世に咲いてみな」を制作するまでに至る。もちろん、この曲では演奏をKISSが務めており、ギターもポール・スタンレー&トミー・セイヤーが担当。さらに、同シングルのカップリングにはKISSの代表曲「Rock and Roll All Nite」のカバーも収録されており、こちらでは先の和嶋が再びギターソロを手がけている。

【ももクロMV】ももいろクローバーZ vs KISS - 夢の浮世に咲いてみな(YUMENO UKIYONI SAITEMINA/MOMOIRO CLOVER Z vs KISS)

 これ以降も、ももクロはさまざまなギタリストとコラボを遂げ、共演の数々を血や肉へと昇華させ、自由度の高いアイドルソングの可能性を広げ続けてきた。2016年1月にはテレビ番組『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』(フジテレビNEXT)にて、Mr. Bigなどで知られるポール・ギルバートと共演。かつてマーティやイングヴェイが関わってきた「猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』」でポールらしさを交えたプレイを聴かせたほか、Mr. Bigの代表曲「To Be With You」などで豪華なコラボも実現させた。また、同年2月に同時リリースされた3rdアルバム『AMARANTHUS』、4thアルバム『白金の夜明け』のうち、『AMARANTHUS』収録曲の「ゴリラパンチ」ではSEX MACHINEGUNSのANCHANGが作詞・ギターソロを担当。パワフルながらもメロディアスな楽曲のイメージに沿った、豪快かつ流麗なソロプレイを聴かせているので、こちらも必聴だ(その流れで言えば、GARLICBOYSが演奏で参加した同バンドのリメイク曲「あんた飛ばしすぎ!!」「ダンシングタンク♡」も聴いておくべき楽曲かもしれない)。

ももクロ【LIVE】ゴリラパンチ(from 配信LIVE 2020『PLAY!』)

 さらに、SIAM SHADEのDAITA、元JUDY AND MARYのTAKUYAなども、ももクロのハウスバンド「ダウンタウンももクロバンド」のメンバーとしてライブに参加した経験がある。映像化されているライブも少なくないので、気になる方はこちらもチェックしてもらいたい。

 最近はロックフェスにもダウンタウンももクロバンドを帯同し、バンド形態でライブを行う機会も増えたももクロ。スタジオ音源ではギターサウンドにとどまらない、一筋縄では行かない音楽性で我々を魅了し続けているが、ライブにおいては改めてギターの重要性を感じさせる場面も少なくない。メンバー自身が『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』や『しおこうじ玉井詩織×坂崎幸之助のお台場フォーク村NEXT』といった番組を通じてギターと直接触れ続けてきたことも、そういった方向性に少なからず影響を与えているのではないだろうか。特に、筆者は2014〜2016年頃にももクロの活動に帯同していた時期があり、『坂崎幸之助のももいろフォーク村NEXT』の生放送に向けてギターを一生懸命練習するメンバーの姿を目の当たりにしてきたので、なおさらそう感じるのかもしれない。

 なんにせよ、最新楽曲「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」をきっかけに、再びももクロがレジェンドギタリストたちとコラボする機会が増えることを、筆者は密かに願っている。

ももクロ【MV】MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰 -MUSIC VIDEO-

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