Anonymouzが“顔出し”に至った理由 wacci 橋口洋平提供曲「レッスン」で新たなスタートへ

フレディ・マーキュリーのように全身で心を込めて歌えるようになりたい

ーー最初に歌詞を受け取った時は、どんなことを感じましたか?

Anonymouz:最初の4行だけで、どれだけ主人公が相手と自分を比べてしまっていて、それで頭がいっぱいになっていたかが、ものすごく鮮明に表現されてたので、「橋口さん、すごすぎる」と思って。描かれているエピソードも、私が企画書に書いたものだけじゃなくて衝撃でしたし、感性だったり、感じていることが素晴らしいなと思って。本当にwacciさんの大好きなところが詰まった歌詞だったので、いちファンとして嬉しかったですし、この曲の主人公の真っ直ぐにぶつかってしまうがあまり空回ってしまうところとかは、すごく私っぽいなって思って。すぐに人と比べてしまって強がっちゃうところもすごく心に染みてきて、共感してばかりでした。歌っていても自分のことのような気がしてくるんです。

ーー胸を締めつけられるんですけど、最終的な読後感はすっきり爽やかという、新感覚の失恋ソングですよね。

Anonymouz:前向きな方向で終わらせてほしいというのと、実は「恋だろ」の主人公がもしフラれちゃったら……という世界観でリクエストもさせていただいたんです。なのでその爽やかさが入っていて、失恋の言葉の持つイメージとは真逆のテイストではあるんですけど、綺麗に収まっていて嬉しいです。

ーーレコーディングは順調でしたか?

Anonymouz:結構迷いました。AメロやBメロはただ語るように歌っても前向きにならなくて、バラードのような雰囲気になってしまうので、普段英語を歌う時みたいなニュアンスを混ぜて日本語を歌っていく方向性でレコーディングしました。英語で歌う時はちょっと声が低めで、深く濃く出るんです。そうやって歌声が弱くなりすぎないように意識しました。

ーーアノさんの魅力の一つでもある流暢な英語の発音が「レッスン」の歌唱にも生きていると。

Anonymouz:そうなんです。英語はグルーヴィな深い感じで低めの声になって、逆に日本語だと喋り声みたいな軽く柔らかい印象になります。今回はその中間を取るような歌い方を意識しました。

ーー英語の方が深く出る?

Anonymouz:そうなんです。空気の成分が減るんです。エアリーにもできるんですけど、逆にかなり芯がある声にもできて。日本語的な歌い方だともう少しふわっとした喋り言葉みたいな雰囲気で、私の性格がそのまま出てしまいます。

ーー面白いですね。その違いはアノさん特有のものなんでしょうか?

Anonymouz:どうなんですかね。その違いが大きい人は結構いる気がします。英語は日常だと母との会話がメインで、どちらかというと歌の言語という気持ちなんです。逆に日本語は、日々いろんな人と関わりながら使っている言語なので、英語の方が歌っぽくなって、日本語は喋り言葉という感覚です。

ーー確かに今こうして喋っている声は、英語カバーなどで聴くアノさんとは別人のような印象を受けます。

Anonymouz:日本語詞の曲でも「足りないよ」とかは今の自分に近いんですけど、「レッスン」はAnonymouzとしての自分と、ありのままの自分を混ぜて歌った感じです。新体制にもなるので、今までの経験を含めて「自分らしい録音ができたらいいね」という話をチームでしていました。

ーー橋口さんからのディレクションはありましたか?

Anonymouz:ディレクションは特にはありませんでした。一度こういう風に歌いたいという録音をワンコーラスだけ送らせていただいたところ「すんごく良い。痺れた」なんて言っていただけたので、すごい嬉しかったです。

ーー特に気持ちが乗るフレーズはありますか?

Anonymouz:全体を通してそうですけど、やっぱり落ちサビからのラスサビにかけての最後の2ブロックは、主人公の気持ちになると心が痛くなります。短くても2人で一緒に過ごせた日々があって、それが色褪せてしまっても前向きになろうとしているし、でも「ありがとう」と言えるように強がっているところが愛おしくて。歌詞だけでも胸が苦しくなりますけど、メロディも素晴らしいので歌っていて心が動きますね。

ーーアノさんの今までのオリジナル曲のサウンドの方向性とはがらりと変わりましたが、歌いにくさはありませんでしたか?

Anonymouz:こういうアレンジや、ブラスの音も大好きですし、むしろ歌いやすいくらいでした。たぶんそれは、カバーを通して経験を積んできたことが大きいのかなと思います。いろいろな曲に挑戦したので。

ーー改めてこの曲はアノさんにとってどんな曲になりましたか?

Anonymouz:橋口さんに書いていただいた曲ではあるんですけど、本当に私の言葉のように感じる曲で、今までの曲で一番素直な言葉が並んだ曲だったりもするので、顔出しという新しい一歩を踏み出すタイミングで、この曲に出会えたことは運命のようなものを感じます。

ーー今後も作曲を他の作家に依頼していくのでしょうか?

Anonymouz:自分でも書いていく予定ですし、いろんな方とコラボすると、自分では引き出せない自分を引き出してもらえたり、新しい音が出せたりするので、これからもオープンな気持ちで、たくさんの方の作品に触れていきたいです。

ーーそれでは今後の目標を教えてください。

Anonymouz:もっと等身大の自分を晒け出して歌っていこうと思っていて。今まではAnonymouzというフィルターをかけて歌詞を書いていたりもしたんです。けど、これからはもっと心から直接、自然体の自分でしか書けない歌詞を書いていきたい、より自然体なサウンドで作品を届けたいと思います。そして、たくさんの人に聴いてもらいたいというのが当初からの目標だったので、もっと大きな舞台で輝いているところをファンの人たちに見せたいと思ってます。

ーー理想のアーティストはいますか?

Anonymouz:系統は全然違うんですけど、小さい頃から大好きなのはQUEENのフレディ・マーキュリーさんです。“さん”と言うのも憚られるくらい、偉大な方なんですけど、歌にあそこまで魂を込められる人に憧れがあるので、それぐらい歌に命を懸けられる人になりたいと思ってます。まだ自分は、ステージから降りた時に「もっとステージに立っていたかった」という気持ちで終わることがほとんどなので、限られた時間の中ですべてを出し切るには修行が必要だと思います。でも、いつかはステージ後に立ち上がれないぐらいのパワーを込められるようになりたくて。理性を失うくらい全身で心を込めて歌えるようになりたいです。

ーー11月19日に開催するSHIBUYA PLEASURE PLEASUREでのワンマンライブに向けての意気込みを聞かせてください。

Anonymouz:今まで聴いてくれていた方たちもついてきたくなるような、新しく聴いてくださる方もどんどん巻き込んでいけるようなライブにしたいと思っていて。そのためにはアーティスト力が必要だと思うので、これから3カ月、音楽に向き合って、ライブで出し切れるように頑張っていこうと思ってます。

ーーライブで挑戦してみたいことはありますか?

Anonymouz:みんなの声が聴けるようになった今だからこそ、歌詞のフレーズを一緒に歌ってもらえるような空間を作ってみたいですね。

ーーそのために「レッスン」が良いピースになったとも言えますね。

Anonymouz:本当ですね。今まで英語の曲も多かったので、一緒に歌うのはハードルが高かったかもしれませんが、これからは一緒に歌える曲ももっと増やしていきたいですね。

■リリース情報
7月18日(火)Digital Single 「レッスン」 Out Now !!
作詞・作曲:wacci 橋口洋平
STREAMING/DL:https://anonymouz.lnk.to/lesson
Music Video:https://youtu.be/nZ8KQnoD_oQ

Anonymouz Live 2023「Awake」~11:11~ セットリストプレイリスト
https://Anonymouz.lnk.to/setlist0717

デビューアルバム『11:11』Now on sale
CD:https://Anonymouz.lnk.to/0215_1111_Album
STREAMING/DL:https://Anonymouz.lnk.to/11_11
「11:11」 Special Trailer:https://youtu.be/XTTzuyP_G30

■関連リンク
Official Site:https://anonymouz.jp/
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