大比良瑞希、新たな10年へと踏み出す野心あふれるステージ 新旧の楽曲を惜しみなく披露した『The Reminder』

大比良瑞希『The Reminder』レポ

 大比良瑞希が、代官山UNITにておよそ1年半ぶりとなるバンドセットでのワンマン公演を開催した。本公演は 『“The Reminder” ~Band Set One-man Live』 と題し、新旧の曲を織り交ぜたセットリストとなっている。開催前にはリクエスト曲の募集も行われ、オーディエンスと共に10年以上に渡る音楽活動を振り返る公演になった。

 ライブはゆったりしたテンポの「RESCUE」でスタートした。大比良は手でリズムを取りつつ、一音一音気持ちを込めて発音しながら歌を届けていく。楽器隊の緩急あるサウンドも心地いい。次曲「目覚めのラブソング」ではクラップが会場に鳴り響き、自然と身体を揺らしたくなった。ブライトな雰囲気に包まれながら、間奏パートでは「大比良瑞希です。『The Reminder』、楽しんでいきましょう。よろしく!」と挨拶。ダンサブルな「Real Love」では、スタンドマイクからハンドマイクに切り替えて熱唱。オーディエンスと一緒に手を挙げながら会場を盛り上げていく。

 MCでは、本公演『The Reminder』が新旧の曲を織り交ぜたセットリストのライブをテーマとしていることを説明。「今日のライブは撮影もOKとなっています。今日のことを記録して、またいつかリマインドしてもらえたらなと思います。上手いこと言ったでしょ?」と、お茶目なトーク場面も。

 MC明けに歌ったのは、バンドメンバーで披露するのは初となる「Jam」。大比良はエレキギターを爪で弾きながら歌うおなじみのスタイルだ。ミドルテンポの「帆掛け舟」の次に届けた「見えない糸」は、数個のライトだけが灯る暗めの照明の中でスタート。サビではフロア上のミラーボールが輝き、一気にドラマチックなムードに。大比良の高い歌声やメロディアスなピアノソロ、グルーヴ感のあるリズム隊といった各パートの演奏もじっくりと堪能できた。曲が終わると同時にフロアからは「フー!」という歓声が沸き起こった。また、昨年リリースの「33歳のエンディングノート」や7月にリリースされたばかりの「いとしさ」まで、惜しみなく披露された。

 新旧織り交ぜたセットリストということで、ソロ活動を行う以前のヘウレーカでも歌っていた「つまさき」では、タイトルコールをした瞬間にオーディエンスから喜びの声が上がった。事前のアンケートでもリクエストが殺到したという同曲を疾走感溢れる演奏で聴かせた後、次曲「からまる」ではバンドサウンドの音数を最小限にすることで、歌声がよりストレートに響いてくる感覚があった。

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