9年ぶりに復活した『閃光ライオット』 10代アーティストから溢れ出た熱い想いと爆発的なエネルギー
後半5組も個性豊かな実力派たちが目白押しだった。現役高校生のRIP DISHONORはすでに活動拠点である高知県では名の知られた存在で、「警察官B採用募集CM」に楽曲が採用されるほどの活躍ぶり。透き通るような歌声と安定感のあるバンドサウンドを響かせ、Zeppという広い舞台をしっかりと自分たちのものにしていた。6番手に登場したのは、追加ファイナリストとしてZeppへの出場権を掴み取ったイクラノドン。特に印象的だったのは、『閃光ライオット』のために作ったという「忘れないように」。悩んだりもがいたりしても、結局は歌を歌うことを決めたありのままの姿を全力で届ける姿にグッときた。
宮城県発の4ピースロックバンドであるhalogenは、現体制になってからわずか半年でこのステージに立ったという強者。アカペラ歌唱で始まるバラードや今の時期にぴったりな爽やかな夏歌など個性を持った曲たちを披露し、その実力をしっかりと証明した。そして8組目の超☆社会的サンダルもなかなかの曲者。圧倒的歌唱力と爆発的な感情表現を発揮し、会場にいる全員の目を釘付けにした。きっとこの爆発力は10代だからこそ。どうかこのまま突っ走ってほしいと思った。そしてトリに登場したのが、札幌発のバンド でかくてまるい。だ。スタートから最後までとにかく熱いライブだった。音楽と共に過ごした青春を届け、会場に集まっている人も配信で見ている人も全員を音楽で救うようなエネルギーがあった。
さらにゲストライブには『閃光ライオット2013』で準グランプリを獲得した緑黄色社会が登場し、最新曲「サマータイムシンデレラ」やバイラルヒットした「Mela!」など全6曲を披露した。『閃光ライオット』から始まったバンドが10年経った今、こうしてバンドシーンの最前線で活躍していることはファイナリストたちの希望と憧れになっていることだろう。
今回はグランプリとマイナビ賞をでかくてまるい。、審査員特別賞をshokiが受賞する結果となった。月並みな言葉だが、本当にどのアーティストが受賞してもおかしくなかったと思う。そして、目の前でライブを観るということの素晴らしさを改めて実感した。当日は生配信も行っていたが、この熱量は会場だからこそ味わえるもの。ストリーミングサービスや配信ライブの普及により、音楽の聴き方が多様化した。けれど、熱い想いを音楽を通じて直接受け取ることでしか得られないエネルギーや幸福がある。そんなことを痛感した一夜だった。
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