9年ぶりに復活した『閃光ライオット』 10代アーティストから溢れ出た熱い想いと爆発的なエネルギー
この夏、9年ぶりに10代アーティスト限定の音楽イベント『閃光ライオット』が開催された。音楽の甲子園とも呼ばれる一大イベントで、『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)とソニーミュージックがタッグを組んで行われる。
過去にはGalileo Galilei、緑黄色社会、ねごと、GLIM SPANKY、片平里菜、ぼくのりりっくのぼうよみ(現たなか)といった数々のアーティストが参加したイベントで、開催が発表されたときはSNSなどで大きな盛り上がりを見せた。
今回の応募総数は3,674組。その中からファイナル審査に進出できるのは、1次の音源・書類音源審査、2次のスタジオ審査、3次のライブ審査を突破した9組のみ。そして8月7日、本イベントのグランプリを決めるファイナルライブ審査がZepp DiverCity (TOKYO)にて行われた。オープニングアクトにはアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」の劇中バンド・結束バンドが登場し、「転がる岩、君に朝が降る」(ASIAN KUNG-FU GENERATION)を披露。さらに、応援アンバサダーの宮世琉弥がギターを手に会場を盛り上げた。
ファイナリストたちは激戦を勝ち抜いてきただけあって、どのアーティストも思わず「本当に10代!?」と疑ってしまうようなハイクオリティなパフォーマンスだった(※今年度に限り応募時点で満22歳まで出場可能)。そして全身全霊で音楽を届け、想いを叫ぶ姿があまりにも眩しくて、目頭が熱くなる瞬間も多々。きっと今後も語り継がれるだろうステージに立ち会うことができて、本当によかったと思う。
ファイナルライブ審査が始まる直前には、オープニング映像としてこれまでの審査の様子が流れた。彼ら・彼女らがこれまで溜め込んできたものや積み上げてきたもの、抱えてきた思いなどがこの後全て解き放たれるのかと思うと、これ以上なくワクワクした。
前半に登場したのは4組のアーティストたち。トップバッターは、4ピースロックバンド、Blue Mash。すでにライブバンドとして多くのステージに立っているだけあり、堂々としたパフォーマンスを見せてくれた。今までかっこいいライブはたくさん見てきたが、「こんなに熱いライブを見たのはいつ以来だろう」と思うほど、本気で『閃光ライオット』に賭けていることが伝わってくるライブだった。2番手は男女混合4人組バンド、三四少女。前半2曲はポップ&キャッチーで、クセになるような中毒性があった。さらにラストの「シュガースーサイド」ではしっかりとバンドとしてのかっこよさも見せてくれ、個人的には今後の飛躍が楽しみなバンドとなった。
ファイナリストの中で唯一のシンガーソングライターであるshoki。インタビュー映像では「Zeppってなんですか?」と答え、無垢で初々しい姿を見せていたが、ステージに立ちギターを持ったら一変。愛と平和を願いながら真っ直ぐに歌うその姿にはただならぬ求心力があり、その実力を存分に発揮していた。耳コピを頼りに独学でギターを学んできたというのには驚きだが、それゆえの純粋さや素直さが彼の持ち味なのだと思う。そして、惜しくも受賞は逃したものの、本イベントで大きな爪痕を残したのが7人組バンド・極樂万博だ。事前インタビューでまともなコメントが何一つ取れなかったと言われていた問題児だが、ライブは完璧に仕上がっていた。ノリの良い曲調とMC、エンタメ精神に溢れたパフォーマンスでリハの時点でリスナーの心を鷲掴みにし、「今日、彼らのワンマンライブだっけ?」と思わず錯覚するほどに会場を盛り上げた。