宇多田ヒカル、サザンオールスターズ、乃木坂46、THE RAMPAGE、milet、菅田将暉……注目新譜6作をレビュー

THE RAMPAGE「Summer Riot 〜熱帯夜〜」

THE RAMPAGE / Summer Riot 〜熱帯夜〜 (MUSIC VIDEO)

 現在開催中の全国ツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2023 "16"』 キックオフソングとして制作された熱いダンストラック「16BOOSTERZ」に続く2023年第2弾シングル曲「Summer Riot 〜熱帯夜〜」は、和太鼓演奏グループ・DRUM TAOとのコラボレーション楽曲。世界的な人気を得るDRUM TAOのビートを軸に、ラテン、ヒップホップなどの要素を加えることで“エキゾチックな和”と称すべきトラックに結びつけている。日本の伝統的な祭りを背景に、そこに集まる人々の汗と笑顔、夏の夜の妖しい官能が入り混じったリリック、そして、あえて高揚感を抑え、クールな佇まいを感じさせるボーカルも印象的。〈燃え尽きるまで熱帯夜〉というキャッチーなラインを含め、夏ソングの概念を覆す楽曲だ。(森)

milet「Living My Life」

milet「Living My Life」MUSIC VIDEO(ドラマ「転職の魔王様」主題歌)

 3rdアルバム『5am』からの先行配信。ドラマ『転職の魔王様』(フジテレビ系)の主題歌でもある。J-POP的“ガチャ”感の乏しい、大陸的なスケールを持ったミドルテンポ。力強い歌唱は初期アラニス・モリセットを彷彿とさせる……と書いてから気づくのは、彼女も10代をカナダで過ごしていたこと。もちろん、だからといって洋楽の影響云々と書くのは安直で、むしろサビの〈ここにいる 私はここにいる〉で自然にコブシが回るところに、無意識に根づくジャパニーズ・トラディショナルを感じられる。クラシック育ちで英語も堪能といった情報だけでは見えてこない彼女の血肉。天から授かった歌声ひとつで勝負する、生身の人間のタフネスが宿る。(石井)

菅田将暉「ユアーズ」

ユアーズ

 ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に◼️された』(日本テレビ系)書き下ろし主題歌。菅田はこの作品に俳優として関わっているわけではないので、純粋に音楽家としてドラマに向き合ったのだろう。作詞作曲はライブ時のバンドメンバーでもあるKohei Shimizuとの共作。傷つき疲れた心を、無理に励ますでもなく、共感を寄せすぎるでもなく、ただ〈命からがら逃げてさ〉と解き放つ。原曲はアコギ一本で作ったフォークなのかもしれないし、完璧にコントロールされない声の揺らぎも効果的。そのままではやや地味というか、かなり朴訥とした曲ではあるが、編曲者のトオミヨウがストリングスで丁寧に仕上げた。キャリアの中でもことさら優しさが沁みる一曲に。(石井)

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