『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』の人気楽曲がバイラル首位 ゲームBGMらしい中毒性、自由に広がる楽しみ方が魅力に

Unwelcome School

 そして、今週チャートに初登場した楽曲のなかで最も注目したいのは、首位を獲得したミツキヨ「Unwelcome School」である。スマートフォン向けシミュレーションRPGゲーム『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』のBGMであり、プレイヤーのあいだで根強い人気を誇る楽曲のひとつである。人気楽曲でありながらこれまで公式音源としてリリースされてこなかった「Unwelcome School」だが、今年7月にオリジナルサウンドトラック第4弾『Blue Archive Original Soundtrack Vol.4~Aiming for the ideal freedom~』の収録楽曲としてようやく公式販売、公式配信が開始された。このような経緯もあり、楽曲リリースを待ちわびたファンたちの多くの共感・共有によってSpotifyバイラルチャートでも首位を獲得するほどの反響を記録したのだ。軽快なシンセサウンドとコミカルなフレーズが印象的な「Unwelcome School」。4つ打ちのビートとBPMの速さもあってか疾走感あふれる楽曲である。中心にあるのはゲームBGMらしい中毒性のあるシンセサウンドだが、後半に登場するジャジーな生ピアノの音色がアクセントになり、2分の短い収録時間のなかでも変化を感じさせてくれる。そして「ゲームBGMらしい中毒性」という意味では、リピート再生をしても違和感なく聴き続けられるBGM感も魅力のひとつである。

 このように原曲を掘り下げて聴き込むだけでなく、YouTubeなどに投稿されているリスナーによるカバーやリミックスを聴き漁ってみるのもこの楽曲の楽しみ方の一つ。「ブルーアーカイブ -Blue Archive-」の公式YouTubeチャンネルに投稿されているミツキヨ本人によるジャズアレンジ動画を筆頭に、世界中のアーティストによるロックアレンジ、スウィングジャズアレンジ、バイオリンアレンジなどさまざまな「Unwelcome School」を聴くことができる。変幻自在な「Unwelcome School」の表情を追いかけ始めるときりがないほどである。

 ゲームをプレイするなかで楽しむ「Unwelcome School」、音楽そのものとして楽しむ「Unwelcome School」、アレンジ演奏を楽しむ「Unwelcome School」と自由な楽しみ方を提供してくれるこの楽曲。その多様性こそが大きな魅力なのかもしれない。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-07-26

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