『音楽の日2023』、ダンスコラボ企画に感じた可能性 中居正広の言葉で生まれた高揚感を経て各グループは“仲間”に

 さらに往年のヒットナンバーを使用しての“レジェンドダンス”パートが織り交ぜられたことによって、参加アーティストのファン以外の視聴者も置いてけぼりにしなかった。特に象徴的だったのは、前半パートで披露された「仮面舞踏会」(少年隊)。1985年にリリースされたジャニーズの代表曲を披露したのは、GENERATIONS・白濱亜嵐、INI・後藤威尊、そして少年隊の直属の後輩、Travis Japan・宮近海斗、という事務所もダンスのカラーも異なる3人だった。この3人が男性アイドルの礎を築いたともいえる少年隊の王道ソングを、しなやかに踊りあげるさまは圧巻。SNSでは「伝説的だ」「歴史に残る」と絶賛する声も多く見られた。

 さらに、本企画のプロデュースを担当したs**t kingzのメンバーと、各グループのダンス自慢のメンバー、GENERATIONS・中務裕太、JO1・川尻蓮、INI・木村柾哉、Travis Japan・松田元太、BE:FIRST・SOTAが集結した「Oh s**t!! feat. SKY-HI」は、見るものの心を揺さぶった。それぞれが息を合わせながらも、互いに負けまいと自らのスキルを発揮する姿は、まさにここでしか見られない贅沢な瞬間。そして、多くの視聴者が思っている以上に「踊れる」こと、日本のダンスボーカルグループの現在地、ハイレベルさを見せつけた。

 今や群雄割拠と言われているボーイズグループシーンだが、今回のコラボによって、一過性のブームではなく、日本のエンタメ界を象徴する1つのジャンルとして定着したように感じた。それは、近年デビューしたグループだけでなく、DA PUMPや郷ひろみといった、これまで長きにわたって、日本の音楽界を盛り上げてきたアーティストがこの企画に参加したことからも窺える。

 中居の言葉を借りるならば、コラボを終えて各グループは“仲間”になった。今後はより一層、互いが手を組み、切磋琢磨し合うことで、日本のボーイズグループシーンを盛り上げていくことだろう。遠くはない未来、さらに多くの事務所とアーティストを巻き込み、このようなコラボが継続的に行なわれることを期待したい。

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