BiTE A SHOCKがBiSHから引き継いだものと刷新したもの 宗像明将独自目線によるお披露目ライブ評

 2023年7月17日、BiTE A SHOCKのお披露目ライブ『Why don't you BiTE??』が東京国際フォーラム ホールCで開催された。BiTE A SHOCKは、BiSHのメンバーが私財を投じた株式会社BiSHによる「第2のBiSHオーディション」から生まれた新グループ。「第2のBiSH」という言葉の重さゆえに、デビューライブでこれだけ多くの意見が飛び交うグループも珍しい。ここでは、BiSHのシークレットデビューライブ(※1)から解散ライブ(※2)までを見届けた私の視点からBiTE A SHOCKについて書いていくので、お披露目ライブの出来事を時系列で知りたい人は、今すぐ他の媒体を見たほうがいい。

 BiTE A SHOCKは、前述のように「第2のBiSHオーディション」から生まれた。募集の締め切りは2023年2月なので、ほんの5カ月前のことだ。応募資格は「日本語が喋れること以外は全て不問」。オーディションの模様は、『BiSH THE NEXT』で放送され、HuluとTverでも配信されるという万全の体制だった。しかし、BiSHの解散を目前にした時期でもあり、それゆえに清掃員(BiSHファンの総称)に複雑な感情を抱かれてきた面もある。2014年7月8日の第1期BiS解散から、2015年1月14日のWACK代表・渡辺淳之介のBiSH始動宣言まで、半年あったことを考えれば、いたしかたない面もあるかもしれない。いや、冷静に考えると半年も充分早いが。

 2023年6月29日にBiSHは東京ドームで解散。そのわずか2日後である7月1日に「BiSH THE NEXT」の最終審査が行われ、メンバーが決定。その直後に『THE MUSIC DAY 2023』で初パフォーマンスを行った。その場にはBiSHの元メンバー全員が駆けつけ、彼女たちがモノトーンの服装だったことも印象的に残っている。デビュー曲「Patient!!」は、『癒やしのお隣さんには秘密がある』(以上、日本テレビ系)主題歌に。

 さらに現在のWACKは、BiSHの解散はもちろんのこと、松隈ケンタがサウンドプロデュースから離れ、BOYSGROUPが1stシングルのリリースの4日後に解散するなど、波乱続きでもある。そんななかBiTE A SHOCKは、お披露目の日を迎えた。

 結論から言おう。この日、もっとも良かったのは、渡辺が「正直、ホールCは埋められなかった」と明言したことだ。この日の会場である東京国際フォーラム ホールCのキャパシティは約1,500人。当日券が販売されたことは私も気になっていたが、その現実をもっとも正面から受け止めていたのは渡辺だった。前述のように、清掃員がBiTE A SHOCKを必ずしも歓迎しているとは限らない。ただ私は、BiSHの『NHK紅白歌合戦』出場や東京ドーム公演を実現した渡辺が、BiTE A SHOCKに関してどうモチベーションを維持するかが気になっていた。以下は2022年秋、私による渡辺のインタビュー(※3)での発言だ。

「第1期BiSをやってたときは、『俺たちの作ってる音楽はかっこいいのに、なんで誰も聴かないんだ』みたいに思っていたのに、さすがにBiSHが『紅白』まで出ると、『認められてない』ってわけでもないじゃないですか。昔の僕は反骨精神みたいな部分が一番認められたはずだったのに」

しかし、渡辺は前述の「正直、ホールCは埋められなかった」という発言に続いて、こうも言ったのだ。「BiSHの目標である東京ドームも超えて、世界をとりたい」と。世界を目指すという趣旨の発言は、この日、もう一回あった。まるで新たな目標を自身に刻み込むかのように。

 そして、BiTE A SHOCKは、MAHiTO、SAORi、RiNA、HARUTO、RYUUSEi、HANANOからなる男女混成の6人組。グループ名において「i」が小文字であるのは、BiSH、そしてそのルーツである第1期BiSから継承されている。彼らは、「BiSH THE NEXT」から生まれた「Patient!!」「THE NEXT」のほか、BiSHの楽曲を6曲も披露した。具体的には「in case...」「MONSTERS」「GiANT KiLLERS」「サヨナラサラバ」「オーケストラ」「リズム」である。

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