Little Glee Monster、揺れ動く感情を歌った「今この瞬間を」は背中を押す曲に ツアーを通じて深まる6人の絆
Little Glee Monsterが、8月23日にニューシングル『今この瞬間を』をリリース。アニメ『MIX MEISEI STORY~二度目の夏、空の向こうへ~ 』(読売テレビ・日本テレビ系)エンディングテーマに起用された表題曲を7月15日より先行配信している。それに伴い、リアルサウンドではかれん・ミカ・結海にインタビュー。今作収録曲にまつわるエピソードから、現在開催中の全国ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”』への手応え、加入から半年以上が経った今、新メンバーの意識の変化などを聞いた。(編集部)【記事最後にプレゼント情報あり】
【オリジナル動画】かれん・ミカ・結海の青春の思い出は?
新メンバー3人は観客の声を聞いて号泣
──まずは4月22日からスタートした全国ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2023 “Fanfare”』に関連したお話から。Zepp Shinjuku (TOKYO)のこけら落としの一環としてファンクラブ限定ライブ『Little Glee Monster リトグリCLUB 限定LIVE “Fanfare” 0』も、ツアー直前の4月20日に開催されましたが、あのキャパ感のワンマンライブはずいぶん久しぶりでしたよね。特に、現体制になってからは初めてでしたが、実際に経験してみていかがでしたか?
かれん:普段のライブは座席がある会場が多いので、お客さんとも一定の距離はあるけど、今回はスタンディングで、皆さんとの距離感も近かったですし、本当にすごい熱気でした。Zepp会場でワンマンライブをやるのも、私やMAYUやアサヒにとっては6、7年ぶりだったので、ああいう会場でしか出せないライブの雰囲気も久々に感じられて。すごくレアでいい経験でした。
──僕も会場で拝見しましたが、とにかく始まる前からお客さんの熱気がすごかったですものね。
かれん:そうですね。2階席の方も身を乗り出すように観てくれて、あの場にいたみんなが団結していることがすごく伝わってきました。
ミカ:歌い始めたらすぐ目の前にお客さんがいて、その表情も全部事細かに見ることができて。泣いてくれているお客さんの姿も見えて、私ももらい泣きしちゃったりして、ライブハウス自体がちょっとした家族の集まりみたいな(笑)、そういうほんわかした雰囲気で楽しかったです。
──ツアー前哨戦としても、すごくいい経験だったのではないでしょうか。そこから2日後に、東京ガーデンシアターでツアー初日を迎えました。
結海:今年1月の『Little Glee Monster Live Tour 2023 Join Us!』に比べたら曲数も多く、お客さんと一緒にいられる時間も長かったので、一緒にひとつのライブを作った実感が前回よりも強かったです。あと、披露する曲のジャンルというか……例えば、恋愛系とかカテゴリーごとにブロック分けして歌うことも今回のツアーが初めてでしたが、お客さんに曲のメッセージを伝えやすかったです。
ミカ:ライブの時間も2時間を超えていて、最初は「最後までやり切れるかな?」と不安だったんですけど、初日はなんとか乗り越えることができました。いろんなコーナーがあって飽きさせない内容ですし、お客さんの反応もすごくうれしくて。これは絶対にツアーファイナルまで成功させ続けたいなって思いました。
結海:特に初日は「頑張るぞ!」みたいな気持ちが強かったからか、アドレナリンが出まくって最後まで乗り切れたのかな。東京ガーデンシアターはお客さんの数が本当に多くて。私たちが入ってからのリトグリのライブで一番人数が多い会場だったので、その日終わったあとは放心状態で、「ああ、終わった……また次から頑張らないと!」って気合いを入れ直しました。
ミカ:ステージから観た景色が本当にすごくて。あの広い会場が全部お客さんで埋まっていて、最初こそ緊張しましたけど、曲が進むにつれて心もどんどん熱くなっていて、気づいたら終盤はずっと興奮してました(笑)。
──確かに初日の序盤は新メンバーの3人が若干緊張しているように映りましたが、ミカさんがおっしゃるように後半はまったくそんな感じがありませんでした。かれんさんから見た3人はいかがでした?
かれん:私には全然緊張しているようには見えなかったですけど、個人的に初日はすごく印象的なことがあって。このツアーからお客さんの声出しが解禁になって、皆さんが一緒に歌ってくれたんです。ライブ中、いろんな場面でマネージャーさんが動画を撮ってくれいて。新メンバーは公演中、お客さんの実声をイヤモニ越しでしか聴いていなくて、あとからその動画を観て「歌ってくれてうれしい!」って号泣していたんですよ(笑)。
ミカ・結海:(苦笑)。
かれん:3人のその姿を見て、私とアサヒとMAYUは「可愛いね!」って言いながら笑っていました。
結海:確かに、めっちゃ笑ってた(笑)。
かれん:泣きすぎってくらい泣いていたので、面白くなってきちゃったんですよ(笑)。
──なるほど(笑)。ツアーは12月まで続くので詳細に触れるのは避けますが、ライブの中には先輩、後輩の2人1組でパフォーマンスするパートも用意されています。あれはすごく新鮮でした。
結海:普段は6人で歌っているリトグリの楽曲を少人数で歌うのは、やっぱりいつもと違う感覚もありますし、2人で1曲を完成させないといけないというプレッシャーもあって。
ミカ:でも、自分のパートも多いですし、お客さんにたくさん自分の声を聴いてもらえるチャンスでもあるので、たくさん自分らしく歌えた気がしています。
──ツアーの合間に『METROCK 2023』など、フェスや音楽イベントにも出演していましたが、ステージへの臨み方はワンマンとフェスとで違いはあるのでしょうか?
結海:フェスの前になると、かれんちゃんが必ず「まだ自分たちのことを知らない人も、全員ファンにして帰そう!」と言ってくれるんですけど、そこで一気に気が引き締まるんです。ワンマンは自分たちを観に来てくださる方がほとんどだと思うので、その人たちと一緒に楽しめるようにという気持ちで臨むんですけど、フェスは私たちのことを知らない人にも知ってもらえる絶好の機会なので、気持ちの入れ方の違いは確かにありますね。
ミカ:やっぱり新しいファンの方もどんどん増やしていきたいので、フェスではいつも以上にお客さんと目を合わせようと意識しています。
「今この瞬間を」はいろんなことを頑張っている人たちの背中を押す歌詞に
──この夏にはミニアルバム『Fanfare』に続く新シングル『今この瞬間を』がリリースされます。表題曲はテレビアニメ『MIX MEISEI STORY~二度目の夏、空の向こうへ~』の7月クールのエンディングテーマとしてオンエア中。リトグリはかつて、同アニメシリーズのエンディングテーマに「君に届くまで」を提供していますが、あれからすでに4年も経っているんですね。
かれん:そうなんですよ。意外と時間が経っていて私もびっくりしましたし、こうやってまた同じシリーズでエンディングテーマを担当させていただけるのは本当にうれしいです。
──最初にこの曲を聴いたときは、どういう印象を持ちましたか?
ミカ:メロディや歌詞を含めて、誰かの熱い想いとかドラマが見えてくるような、まさに青春の1曲だなって。なので、自分もそこに気持ちを乗せて、みんなに届けられたらと思いました。
結海:野球を題材にしたアニメのエンディングテーマなんですけど、スポーツ以外にもいろんなことを頑張っている人たちの背中を押すような歌詞になっていて。どんなに頑張っていても悔しいことは絶対あると思うんですけど、それでも〈君がいてくれたから歩こうと思えた〉と背中を押すような内容になっているので、聴いた人たち一人ひとりの背中を押せたらなと思っています。
かれん:メロディからもポジティブさがすごく伝わってきて、聴いているだけで背中を押されるんですけど、この歌詞によって、ただ前向きなだけじゃなくていろんな葛藤だったり、ゴールまでの努力だったりがあるからこそこの瞬間があるんだよっていう、かなり力強い曲になったと思います。
──歌詞に出てくるキーワードには野球を感じさせるものも多いですが、それ以上に青春時代の淡く切ない思い出が浮かんでくるような印象もあって。そこも「君に届くまで」と共通するものがありますよね。では、この曲にボーカルで色をつけていく上でこだわった点や、レコーディングで意識したことなどありますか?
かれん:今回はゴスペルチックなコーラスに挑戦していて、いろんな声の出し方をして何層にも重ねているんです。それこそ、太く男性っぽい声を出してみたり、自分らしく歌ってみたりと、いろいろ試しながら録りました。
ミカ:私は、自分のパートに低いところがあったんですけど、最初はそこにどう気持ちを込めて歌おうかとすごく悩んでしまって。ただ低く歌うことだけに意識を向けるんじゃなくて、優しさを含めもっと感情を出せたらと試行錯誤したんですが、最終的に納得のいく歌い方ができました。
結海:自分のメインのパートに〈悔しくて〉といったフレーズがあるんですが、最初は悔しい気持ちを前に出しすぎて、声が暗くなってしまったんです。もうちょっと聴きやすくしたいんだけど、悔しい感じは残したい、そのバランスがすごく難しかったです。あと、2サビの後半の〈目一杯溜めた思いをさあ空に叫ぶんだ〉では、歌詞のとおりにポーンと突き抜けるように歌うことを意識しました。
──1曲の中で感情の揺れ動きなど変化をつける際、結海さんが特に意識していることはありますか?
結海:レコーディングはライブと違って、お客さんに見られながら歌うわけではないじゃないですか。でも、表情を意識したりとか、ライブで歌っている自分を想像しながら歌うようにしています。ライブや音楽番組では、表情を含めて歌を届けようと思っているので、レコーディングのときからそこは常に意識しているかもしれません。
──この曲は歌い出しがmiyouさんということもあって、冒頭から「新しいリトグリだ」ということが強く伝わるんですが、従来のリトグリらしさも全面に打ち出されていて、かつ先ほどおっしゃったゴスペル調のコーラスがフィーチャーされていたりと新鮮さも感じ取れる。王道のリトグリ感と新生リトグリの魅力が絶妙なバランスでミックスされた1曲だなと思いました。
全員:ありがとうございます!
──これをライブでどう表現するのかも気になります。
かれん:そうなんですよね(苦笑)。現時点(※取材は6月下旬)では、そこはまだ模索中で、私たちもどう表現しようかと悩んでいるところです。でも、ライブでお客さんと一緒に歌ったら、絶対に気持ちをひとつにできる曲になると思うので、ここからみんなで完成させていきたいです。