Little Glee Monster、グループの軌跡を辿った5人体制ラストツアー これからへの決意溢れたステージに

リトグリ、5人体制ラストツアーを観て

 『Little Glee Monster Live Tour 2022 Journey』幕張メッセ イベントホール公演が、7月23日、24日に開催。その1日目にあたる23日公演の模様をレポートする。

 2020年12月から長期休養していた芹奈、今年3月から休養していたmanakaの2人が今月24日付けでの卒業を発表し、5人体制でのLittle Glee Monster最後となった本ツアー。全公演、かれん、MAYU、アサヒの3人でのパフォーマンスとなったが、最後の5人体制という意味でも、リトグリの魅力に溢れた、今までとこれからの姿が詰まった公演となっていた。

 会場が暗転しこれまでのライブ映像が流れ、3人が登場。そのステージには、5人揃っているかのように5つのスポットライトが当たっていた。芹奈とmanaka、2人の立ち位置を空けて横並びになって歌い出した「Jupiter」は、5人体制の歌割りのまま、芹奈とmanakaの歌声も流れ、ステージで歌う3人の歌声とのハーモニーを作った。〈深い胸の奥で つながってる〉〈いつまでも歌うわ あなたのために〉という歌詞は、メンバーの思いを表しているよう。静かに、しかし力強く奏でられる5つの歌声がそこにはあった。

 そんな5人のステージのあとに流れたのは、本ツアーの旅路を日本地図のイラストと公演後の写真で振り返る映像。第2のオープニングともとれるような同映像ののちに再登場した3人は、白い衣装から原色のまぶしいカジュアルな衣装に着替え、がらりと印象を変える。再登場直後に歌った「Hurry up!!」では、バンドの奏でるリズミックな演奏とパワフルな3人のハーモニー、歌いながら繰り広げるダンスではつらつとしたパフォーマンスを披露。「Jupiter」とは雰囲気を変え、リトグリの表現の幅広さを本ツアーならではの演出を使って表現したオープニングであった。

 まさに今の彼女たちやファンの心情にもヒットするであろう「青春フォトグラフ」でも、笑顔でファンに手を振りながら、3人の迷いのなさを表すような力強いサウンドとまっすぐな歌声を聴かせていく。

 これまでとは歌割りが大きく変化した本ツアーであったが、それは結果的に、彼女たち3人の、一人ひとりのシンガーとしての魅力を強調したように感じる。「I BELIEVE」や「いつかこの涙が」の落ちサビでは、MAYUが切なげな感情を織り交ぜた静かな歌唱で落ち着いた歌声の魅力を存分に発揮し、「青い風に吹かれて」の歌い出しでは、かれんの圧倒的な声量とよく通る歌声が響き渡った。アサヒは表情豊かな歌声で変幻自在に歌いこなし、ハーモニーを強みとするリトグリの表現を、3人それぞれがさらに豊かなものにしているように感じられた。

 アサヒからは「芹奈とmanakaの卒業発表に驚かれて、心の整理がつかないまま今日を迎えた方もたくさんいると思います。そんな中でも、5人とファンのみんなで作り上げたものに嘘はひとつもないし、全部が私たち5人の宝物です」とMCで語られ、ピアニカのイントロがどこか哀愁を感じさせ、咀嚼するようにじっくりと歌い上げた「いつかこの涙が」、「会いにゆく」に続いて披露された「Come Alive」ではかれんの奏でるピアノに合わせて3人が歌唱する場面も。フォーメーションを変化させながら、バラエティ豊かな表現で楽しませる。

 この日は、これまでのグループの軌跡を振り返るようなメドレーも披露された。メジャーデビュー曲「放課後ハイファイブ」から始まり「好きだ。」、「明日へ」「ECHO」など、シングル曲の数々が歴史を振り返るように披露され、ステージ後方のスクリーンにはその時々のMVやライブ映像が流れる。メドレーの最後を飾った「君といれば」は、当時休養中だった芹奈を含めた5人が集合するシーンも流れ、歌唱にも一層感情が込められる。大切に振り返るように力強く、丁寧に歌われた。

 そして、これまでのインタビューや密着映像などを交えたスペシャルムービーが放映される。のちのMCにて、MAYUはメドレーとムービーに触れ、「住んでる場所も違う5人が、歌うことと音楽が好きっていう理由だけで出会うことができた。この5人が出会えたことが奇跡」と振り返る。さらに、「本当は今日もこのステージに5人で立ちたかったです。でも、私たちはグループだけど一人ひとりの人生があって、自分が決めた人生は誰にも否定できないもの。大切な存在だからこそ、2人の決断を尊重して受け入れるのが私たちのすべきことだなと思います。5人で立つことはできなかったけど、だからといって5人の歴史、思い出が消えるわけではないし、これからもみなさんに大切にしてほしいなって思っています」と丁寧に気持ちを伝えた。

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