こうしたヒットを経て、Creepy NutsとYOASOBIは話題のアニメなどで主題歌を担当している。Creepy Nutsは昨年、アニメ『よふかしのうた』（フジテレビ系）オープニングテーマとして「堕天」を発表し、MVがYouTubeで2000万回以上の再生数を記録した。YOASOBIは、話題沸騰中のアニメ『【推しの子】』（TOKYO MXほか）オープニングテーマとして「アイドル」を発表。MVの再生数が2億回を突破するなど、国内外問わずに話題を集め、2023年を代表する楽曲のひとつになっている。

　また両者は、先述したラジオや音楽番組のみならず、バラエティ番組にも多く出演している。YOASOBIはブレイク直後から『嵐にしやがれ』や『笑神様は突然に…新春2時間SP』（ともに日本テレビ系）などに、Creepy Nutsは『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』（ともにテレビ東京系）などに出演しており、アーティスト性もさることながら、そのキャラクターに魅了されたファンが多かった部分も、彼らの音楽が広く波及した要素であるといえよう。メディア出演が増えても、タレントとしてではなく、あくまで“アーティスト”のまま彼らのキャラクターが広まったところもポイントだ。

　そんな近からず遠からずの2組から、AyaseとR-指定がタッグを組んで生み出された「飛天」。お互い人見知りという彼らだが、「飛天」は己の内面に深く語りかけるような奥深い歌詞と、アッパーでパンチ力のあるテンポとメロディで構成されている痛快なナンバー。これからも二人は、長きにわたって日本の音楽シーンに様々な影響を与えることだろう。そんな予感に満ちた1曲だ。