RADWIMPS、Travis Japan、Mrs. GREEN APPLE、水曜日のカンパネラ、XG、アイナ・ジ・エンド……注目新譜6作をレビュー

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はRADWIMPS「大団円 feat.ZORN」、Travis Japan「Candy Kiss」、Mrs. GREEN APPLE「Feeling」、水曜日のカンパネラ「マーメイド」、XG「GRL GVNG」、アイナ・ジ・エンド「宝石の日々」の6作品をピックアップした。(編集部)

RADWIMPS「大団円 feat.ZORN」

 フィーチャリングZORN、この意外な組み合わせがまず衝撃的だ。Jリーグ開幕30周年を記念して制作された曲で、RADWIMPSらしい繊細さと詩情、スタジアムに相応しい全員参加型コーラスパート、そして剥き出しの渇きと闘争心を叩き込むZORNのラップが、無理に寄り添うでもなく、かといって水と油という違和感もなく、5分間の中に閉じ込められた。わかりやすいアンセム調ではないが、ふつふつと熱の滾る様子が実にリアル。5月14日には国立競技場のピッチで初披露されていたとか。〈だから言ったろ ハッタリ野郎〉というZORNの強烈なパンチラインが、5万6000人以上の観客に突き刺さった様子は生で体感したかった!(石井)

RADWIMPS - 大団円 feat.ZORN [Official Music Video]

Travis Japan「Candy Kiss」

 前作、「Moving Pieces」から約2カ月のインターバルで届けられた新曲「Candy Kiss」は、シックな佇まいとカラフルな意匠を共存させたポップチューン。リファレンスはおそらく、『Off The Wall』期のマイケル・ジャクソン。バウンシー&ファンキーなベースラインを中心に、ハンドクラップの音を交えたリズム、印象的なサックスのフレーズを交えながら、ブラックミュージック経由のポップソングという伝統的な手法を的確にアップデートさせている。〈Making me crazy over you〉に象徴される、ただただ“君に夢中だ、君のとりこだ”と甘く囁きまくるリリックもやはり王道だ。Y2Kな雰囲気のMVのコレオは「Dynamite」(BTS)やTravis Japanのデビュー曲「JUST DANCE!」の振付などで知られるニッキー・アンダーセンが担当。(森)

Travis Japan - 'Candy Kiss' Music Video

Mrs. GREEN APPLE「Feeling」

 控え目な鍵盤と、大森元貴(Vo/Gt)のソロ歌唱から始まるポップソング。歌で引っ張っていく展開で、だからこそ印象に残るのは大森歌唱の切れ味のよさ。いくらでも気持ちよく歌い上げられるメロディだが、どの音にどれくらいビブラートをかけ、どの音はスタッカートのように跳ね上げ、どの音をそうっと歌い終えるのか、ものすごく的確に使い分けて歌っているのがわかる。これが聴き心地のよさにつながっているのだろう。最初は控え目だったバックのサウンドは徐々に存在感を増していき、コーラスも含めてどんどんビッグになっていく。ほんの2分半、バースとコーラスだけのシンプルな展開だが、ラストまで聴き終えればたっぷりとした幸福感が。(石井)

Feeling

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