乃木坂46 早川聖来、卒業発表と芸能界引退に寄せて 「自分で自分を素敵だと思えるように」輝き続けた5年を振り返る
乃木坂46としては、2021年6月リリースの27thシングル『ごめんねFingers crossed』で初選抜入り。活動休止のため、参加していない作品こそあれど、27thシングル以降は選抜メンバーとして定着していった。そして、早川を象徴するセンター曲としてライブでもキラーチューンとして成長していくのが26thシングル『僕は僕を好きになる』収録の4期生楽曲「Out of the blue」。賀喜遥香のモノマネ「愛が足りひ〜ん」でお馴染みの早川の甘えたがりかつ寂しがり屋な性格を、「ねこぱんちダンス」に落とし込んだとも言えるキャッチーな振り付けだ。賀喜、田村真佑、早川のトリオ「3色ジェラート」で一緒にいる時を筆頭に、早川にはいつだって笑顔が似合うが、筆者は今年2月に開催の『乃木坂46 11th YEAR BIRTHDAY LIVE』の4期生ライブで披露された、早川センターの「ここにいる理由」が忘れらない。早川がどこまで選曲に関わっているのかは定かではないが、活動復帰後初のステージとして当日は限られた出演曲数だったからこそ、このタイトルがより響くメッセージになっていたように思える。
その4期生ライブで、遠藤さくらは早川を「繊細で芯の強い」メンバーだと紹介していたが、早川が自身のブログやインタビューで一貫して目標にしていたのが「自分で自分を素敵だと思える、そういう私でありたい」ということだった。「自分が困っている時に誰よりも一番寄り添ってくれるのは自分自身なんだって。そんな自分を大好きになってあげたいです」(※1)「自分の意志で何かを決めることで前向きになれることがたくさんあるはず」(『日経エンタテインメント! 乃木坂46 Special 2023』より)――自己肯定をすることが苦手だった早川は、卒業を発表したブログの中で「『私だからここにいる』と思えるようになってきました」「『昨日の自分より今日の自分の方が好き』と胸を張って言えるようになった気がします」(※2)と綴っている。「ここにいる理由」が見えたからこそ、早川は「乃木坂46 早川聖来」の物語を閉じ、「早川聖来」としてだけの物語のページを新たに開く決心をしたのかもしれない。
早川の前には、同じ4期生の北川悠理の卒業が予定されている。詳しいアナウンスはまだだが、彼女の卒業タイミングは6月末。6月21日深夜放送の『乃木坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)にゲスト出演した北川は、「最後まで楽しく、笑顔で過ごそうね」と4期生で円陣を組んだというエピソードを明かしており、明言こそしていないものの、そこには早川への思いも乗っかっているはずだ。4期生16人がもう一度同じステージに立つことは叶わずとも、“16色の光”はこれからもそれぞれの場所で輝き続ける。
※1:https://www.nogizaka46.com/s/n46/diary/detail/64307
※2:https://www.nogizaka46.com/s/n46/diary/detail/101543
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