あいみょん、藤井 風、imase、優里……韓国で起きつつある“J-POPブーム” 洗練されたサウンドがTikTok効果で波及?
現在、韓国のなかでJ-POPが過去に類を見ないほど広がりを見せている理由について、Weverse magazineでは音楽評論家のファン・ソノプがTikTokを中心としたショート動画による拡散の効果が鍵だったと分析(※2)。たしかに、あいみょんが2017年にリリースした「愛を伝えたいだとか」は、サビのリズムに合わせたステップが印象的なダンスと共に、TOMORROW X TOGETHERやENHYPEN、STAYCなどがカバーし、話題を呼んでいた。
@txt.bighitent MOAに愛を伝えたいだとか
imaseの「NIGHT DANCER」も、Stray KidsやITZYがダンスパフォーマンスを、BTSのJUNG KOOKが歌唱カバーを披露し、現在進行形で話題を集めている。
@itzyofficial_jp #NIGHTDANCER 🕺✨ どうでもいいような 夜だけど #MIDZY がいれば一瞬で輝ける✨ #ITZY #YEJI #RYUJIN #CHAERYEONG ♬ NIGHT DANCER - imase
こうしたSNSでの拡散によって、日本のアーティストによる楽曲は韓国のなかで「一部の音楽マニアがハマるもの」から、バイラルチャートに進出するほど広く一般的に受け入れられるものに変わっていったと考えられるだろう。
とはいえ、そのようなトレンドが起きたのも、やはり楽曲の持つパワーが根底にあってこそ。あいみょん「愛を伝えたいだとか」、imase「NIGHT DANCER」、優里「ベテルギウス」、藤井 風「死ぬのがいいわ」といった韓国のバイラルチャートにランクインしたことのある楽曲を見てみると、どれも一度聴けば耳に残る洗練されたサウンドが特徴的だ。さらに、そのようなサウンドの雰囲気を壊さない、選び抜かれた言葉が並ぶ日本語の歌詞も印象的。これまでに聴いたことのない、新しくておもしろい音楽として、韓国の若者世代に刺さった可能性が高いと言える。
そして、そういった海を越えて支持される楽曲を生み出しているアーティストは、その多くがZ世代であることも見逃せないポイントだろう。1995年から2012年に生まれた“Z世代”は、物心ついた頃からデジタルガジェットもインターネットも身近にあった、真のデジタルネイティブ世代。幼少期から国内外の多様な音楽に触れてきているうえに、10代からTwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSを使いこなし、それによって才能を見出されたアーティストも多い。そのような環境下でインプットとアウトプットを積み重ね、磨き込まれたセンスとスキルで生み出された楽曲が今、韓国でも大きな注目を集めているのである。2010年代から日本においてK-POPシーンも大きく盛り上がってきたが、2020年代に入って韓国のなかでもJ-POPが存在感を示し始めたのは非常に興味深い。今後、両国の音楽シーンはどのように交わり、発展を遂げるのだろうか。
※1:https://www.donga.com/news/Culture/article/all/20230413/118818811/1(筆者訳)
※2:https://magazine.weverse.io/article/view?lang=ja&num=703
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