結束バンド、ファンと分かち合った『ぼっち・ざ・ろっく!』愛 キャスト4人の成長も見えたライブイベント

 アンコールで登場したのは、後藤ひとり役を務める青山吉能。青山はなんとギターを持ってあらわれ、会場がどよめく。披露したのはASIAN KUNG-FU GENERATIONのカバー曲「転がる岩、君に朝が降る」。青山の演奏はどこか慣れない様子も感じさせつつ、それでも真剣に弾く姿が印象的。ギターソロを弾きながら指先を見つめるその真剣な眼差しは、『ぼっち・ざ・ろっく!』という作品、ひいては音楽への愛の深さが存分に感じ取れるものだった。

 パフォーマンス後、青山は「見て、やばいんだけど」と緊張のあまり大きく震える手を観客に向ける。この日のために一生懸命に練習してきたことがうかがえた。また「この作品に出会えて音楽の楽しさとかギターを弾く楽しさを知れた」「音楽って尊いんだなって」と語り、作品への感謝を伝えた。その後、SAKANAMONの藤森元生が作詞作曲した「光の中へ」と、アニメのオープニング主題歌「青春コンプレックス」を長谷川が歌い、終演。鳴り止まない拍手のなかでメンバーたちはステージを後にした。

 結束バンドがファンとともに作品愛を分かち合ったこの日。力強い演奏と、それに負けじと盛り上がるオーディエンスの熱量の高さが印象的だった。そのなかでも、青山が楽器に挑戦して音楽の楽しさを再確認するなど、キャストたちの成長も見どころの一つとなっている。アニメ作品の魅力、ロックバンドの魅力、そして演者の魅力。このイベントでしか味わえない、多くの魅力が詰め込まれた貴重な一夜であった。

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