『【推しの子】』とオープニング主題歌「アイドル」の広がりは必然だった? ネットカルチャーとの親和性から分析
その他、アイドルを舞台とした歌詞の世界観は、アイドルグループやそれに近しい立ち位置で活動する歌い手のグループなどとも好相性で、彼らが「アイドル」のヒットにさらなる拍車を掛けつつあることも見逃せない。たとえば、精力的な活動を繰り広げる動画発の歌い手グループがこれまでも追随するようにカバー楽曲を投稿してきたのが、HoneyWorksの「ファンサ」、「可愛くてごめん」などのアイドルや可愛い女子の視点に立った楽曲。「アイドル」の歌ってみた動画も新たな光と影を内包するアイドルソングとして、すでに親子など幅広いファン層を持つすとぷり、いれいす、Knight A - 騎士A -といった今を時めくグループのメンバーを中心に次々と投稿が行われており、注目されやすくなっている現状がある。さらに元Juice=Juiceの宮本佳林による「【推しの子】アイドル 歌って踊ってみた」の動画が注目を集めるといった動きもあり、劇中に登場するB小町「サインはB」などとともにアイドルらによるカバーが増えていく可能性も大いにありそうだ。
@karin_miyamoto
アイドルとファン、双方のリアルな心情を盛り込みながら独自の物語として昇華した『【推しの子】』とアイドル視点の楽曲「アイドル」に火が付いたことは、それだけ“アイドル”が多くの人にとって共感できるトピックになっていることの証左でもある。ますます広がりを見せていくと予測できるなかで、今後、どこまで完璧を極めた「アイドル」が飛び出してくるかが楽しみだ。
※1:https://youngjump.jp/oshinoko/novel_45510/novel_01.html