稲垣吾郎の軽妙なトークに酔いしれる 未来の“再会”にも思いを馳せた『酒のツマミになる話』出演が話題に

 稲垣吾郎が4月21日に『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系)に出演。すると、関連ワードがTwitterのトレンドランキングを席巻した。それほど大きな注目を集めたのは、稲垣が松本人志から思わず「結構攻めてきたね」と言われるほど、キレのいいトークを繰り広げたから。

 収録前、そして収録中も、お酒を片手に臨む同番組。ワイン好きとして知られる稲垣は、赤ワインをくゆらせながらの参加だ。思い返せば「稲垣=ワイン」というほどトレードマークのようになっているものの、稲垣が酒の席を楽しむ様子を直接見届ける機会はそう多くはない。

 果たして、どのような会話が繰り広げられるのか? と思っていると初っ端から「台場フジテレビって僕6年ぶりぐらい。たぶん『SMAP×SMAP』の最後の生放送なんです。なんかみんな黒いスーツ着て謝っていた以来……」と驚きの発言が飛び出す。

 あの生放送については当時から様々な意見や憶測が飛び交い、今もなおどこかデリケートな話題として扱われてきたところがある。現にフットボールアワーの後藤輝基も「我々は触れないところですよね」と言うように、笑いの猛者たちでさえも少々遠慮気味になる部分だ。

 それにも関わらず、稲垣があまりにサラッと話し始めるものだから、松本も思わず立ち上がって「吾郎ちゃん、吾郎ちゃん!」と静止するほど。そうしてまわりが慌てふためくなか、稲垣は「飲んでるので」とにっこりワイングラスを掲げるのだった。

 稲垣は、これまでほとんど髪型を変えたことがないように、常に“稲垣吾郎”というキャラクターを徹底してきたように見える。もちろん無理して作り上げているのではなく、「こうありたい」という自分自身の美学を貫いてきた結果だ。

 そうしてクールな印象を積み上げながらも、時々こうしてチャーミングで柔軟な一面を見せてくれるのも、また稲垣らしい部分。今回のこの大胆なトークも決して口を滑らせたのではなく、稲垣自身が、そして私たちがイメージする“酒の席での稲垣吾郎”像を披露してくれた、そんな気がするのだ。

 稲垣は、読書バラエティ『ゴロウ・デラックス』(TBS系)や、『7.2 新しい別の窓』(ABEMA ※通称『ななにー』)内のコーナー「インテリゴロウ」、ラジオ『THE TRAD』(TOKYO FM)など、様々な番組でゲストを迎えてトークを展開してきた。それも作家、映画監督、アーティスト……と、どちらかといえばバラエティ慣れしていない人が多い。だからこそ、稲垣は常に話しやすい空気を作り出すスキルが磨かれているのかもしれない。

 また、SMAPとして活動しているときも、稲垣は「中間管理職」と呼ばれてきた。それは、年上組の中居正広・木村拓哉、年下組の草彅剛・香取慎吾の間に挟まれた真ん中っ子だったため。そして、立ち回り的にもまさに「中間管理職」と呼ばれるにふさわしい動きをしてきた。例えば、2012年にオンエアされた特別番組『SMAP☆がんばりますっ!!』(テレビ朝日系)でも、ライブの話し合いで5人の意見が食い違い、帰ってしまった中居に「俺が話してみるわ」と稲垣が掛け合ったエピソードも語られていた。

 今回も自分に話題が振られる直前に、ジッとその場を観察している稲垣の様子を何度も見ることができた。その眼差しは、自分がどんな立ち回りをすれば、この場がスムーズに、かつ楽しい時間になるのかを、考えているようにも見えた。

 他の人が触れにくいのではと思っている部分を、あえて先に話題に出すことで相手がどんなリアクションをするのかを観察する。そして、その場の空気によっては、さらに「ここまで話します」という境界線を調整していく。

 松本が中居と共に始める新番組『まつもtoなかい』(フジテレビ系)について、稲垣から言及したこともそうだ。「あららら、(ゲストに)出ます?」と探りを入れる松本にまずは「(半同居していた一般人の友人)ヒロくんと一緒だったら」と、ライトに返す。

 するとファーストサマーウイカから「(中居の番組に出る)抵抗はない?」とリアルな質問が。これには茶化すことなく「実際はちょっと抵抗あるかもしれないですけど。ちょっと恥ずかしい」と笑いながら本音を語る。

 しかし、「なし」と断定するわけではない。恥ずかしさはあるものの「5年、6年もお会いしていない(から)。ちょっと会ってみたいというのはある」「ばったりエレベーターで会っちゃうとか」と可能性を感じさせる言葉も添えて場を温める。

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