Nornis、ファンの支えの中で叶えた大きな夢 三者三様の個性とグループの結束を見せた『1st LIVE-Transparent Blue-』
にじさんじ所属のバーチャルライバー・町田ちま、戌亥とこ、朝日南アカネによるユニット・Nornis(ノルニス)の『1st LIVE-Transparent Blue-』が、3月15日グランキューブ大阪メインホールにて開催された。
暗転の中、ストリングスの生演奏からスタートし、バンドサウンドが追従。「Abyssal Zone」のイントロが流れると、キービジュアルの衣装に身を包んだNornisの3人がステージ中央に登場。少し緊張した面持ちを見せつつも、透き通った歌声で幻想的かつ力強くNornisの世界が展開していく。メンバーが「楽しんでいきましょう!」と笑顔で会場を見渡し、始まった2曲目は「Daydreamer」。ストリングスを駆使した爽やかなシティポップサウンドに3人の声が心地よく乗り、音楽を全身で楽しんでいる様子が伝わってくる。配信では、後ろ姿や真上からのショットなどAR技術を駆使した演出がなされ、バーチャルを超えたライブ感が体感できた。続けて「Through the glass」を披露。幻想的な映像に合わせ、体全体を使って楽曲が内包する切実さや繊細さを表現する。
高い歌唱力で場を圧倒したパフォーマンスからは一転、MCでは軽快なやりとりで笑いを取り会場を盛り上げる。緊張した様子の朝日南をからかいながらも優しくフォローする町田や戌亥……と、わちゃわちゃした3人の関係性が伝わってくるようなひとときだ。感染症予防対策の緩和により、一部声出しが解禁されたということで、コール&レスポンスを喜びいっぱいに楽しんでいる姿も印象的である。
次に披露されたのは「酔いどれ知らず」(Kanaria)。暗めの照明の中、大人なムードを携えたライブならではのアレンジだ。さらに「君の銀の庭」(Kalafina)というNornisとの相性がぴったりの楽曲のチョイスに、ファンの熱量がまた一段上がる。3人の個性的な声質を活かしながら、美しさがより一層引き立つハーモニーと掛け合いが感動を呼ぶ。
終始笑いが絶えないアットホームなMCを挟み、ソロコーナーへ。朝日南アカネは「Unchained」をクールにパフォーマンス。ダンスサウンドに乗せた低音のかっこよさと高音の伸びやかな美しさで、Nornisとは違う表情を見せる。「名前のない感情」を披露した町田ちまは、繊細な歌詞をハイトーンを使って精密に歌いこなす。バンドサウンドとの相性は抜群だ。戌亥とこは「六道伍感さんぽ」を圧巻の歌唱力で歌い上げる。ゆらゆらと体を揺らしながら妖艶に、楽曲の世界をスタイリッシュかつ濃密に表現した。