Tielle、音楽に託した希望への祈り 3度目のワンマンライブで垣間見えたアーティストとしての本質

Tielle、3度目のワンマン公演レポ

 映画『夜明けまでバス停で』の主題歌に起用された「CRY」の神秘的で美しいMVで着用していた衣装に着替えた後半は、Tielleの音楽の本質である“祈りと願い”が込められた楽曲が中心となっていた。ゴスペル調の祈りの唄である「Home」では、天国のような、楽園のような、幸福感と祝祭感たっぷりの景色を引き連れ、「日々、頑張ってるみなさんへ。大丈夫だよ、いつもいつも頑張ってる。肩の力を抜いていいよっていう応援歌です」と紹介した「CalmTown」は、その言葉通り、観客の心と体をゆっくりと緩めてくれた。海の底にいるようなTielleを中心に海面に向かって真っ直ぐな光が伸びた「CRY」では、〈I cry〉〈You cry〉〈We cry〉というフレーズで観客にマイクを向けて、みんなで一緒に泣こうと提案するような場面もあった。そして、「あなたにとっても、私にとっても、明日がいい日になりますように。願いを込めて歌います」と語りかけた「花火」で打ち上げ花火のような雄大さと優しさを体現して、本編を締めくくった。

 アンコールでは、どんなに時を重ねても変わらずに隣にいてくれた友達や家族、パートナーの深い愛への気づきを綴った新曲「by your side」を初披露。場内を温かいムードと写真アルバムを捲るようなセピア色で染め上げた後、「最後はテンションを上げて、私からの大きな大きなラブソングをみんなに届けます」と語り、EDMポップ「COLORFUL」で観客の体を揺らし、幸福感で満たした。

 最後に、「あまり上手じゃない生き物ですけど、音楽に全部全部出して生きていますので、これからも私からの音楽を受け取っていただけたら、私が生きている意味になります。また絶対にライブをやりますので、来てくださいね」と再会の約束。「気をつけて帰ってな。ほんまにありがとう」と素顔が垣間見える関西弁で挨拶。バンドアンサンブルとともに、光と影、水と泡の音だけでミニアルバム『Light in the Dark』のジャケットに描かれた“快楽の園”の世界観を創り上げたワンマンライブは、暗闇の中から光を祈り、絶望の底から希望を願う歌声に、明日を生きる勇気と癒しをもらった観客からの感謝を込めた拍手が鳴り響く中で幕を閉じた。

Tielle 3rd Live「Light in the Dark」
2023.03.04 @ KANDA SQUARE HALL

M1. good girl
M2. Beyond
M3. trying
M4. 告白
M5. GHOST
M6. Noir.
M7. In the Dark
M8. BLESSLESS
M9. misfit
M10. feelings
M11. Home
M12. Calm Town
M13. CRY
M14. 花火
Enc1. by your side
Enc2. COLORFUL

Photo:平木希奈 @cabosu_lady_
Stylist:Nozomi Kenmochi

■リリース情報
2nd mini Album『Light in the Dark』
2023年3月29日(水)リリース

Light in the Dark(WMS限定商品)[購入者限定イベント参加券付き]
https://store.wmg.jp/collections/tielle/products/3022

Light in the Dark(WMS限定商品)[特典ステッカー付き]
https://store.wmg.jp/collections/tielle/products/3023

<収録曲>
1. Noir.
2. In the Dark
3. CRY
4. by your side
5. BLESSLESS
6. 花火

購入者限定イベント開催(先着購入特典)
「Light in the Dark」発売記念チエラジ公開収録(トーク&ミニライブ)
日時:4月15日(土)13:00~の回、16:00~の回の2回開催
会場:東京23区内某所(イベント参加券に記載)
詳細はこちらから ⇒ https://wmg.jp/tielle/news/88390/

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