「Fighting (Feat. Lee Young Ji)」は、3人がスキル全開で歌い紡ぐ華やかなポップチューン。音符への言葉の乗せ方などに日本語を彷彿させるニュアンスがあり、耳馴染みもよく、楽曲の構成のメリハリやボーカルリレーに集中できる。フックが次々に登場する情報量の多い1曲だが、そう感じさせないのは、3人の声音の使い分けによるところが大きいだろう。また、曲を聴いていると、ボーカルが3人以上いるように思ってしまうほど声音のバリエーションに驚くが、全員で歌うパートでのそれぞれの役割を熟知しているアプローチもニクい。

　歌詞には、ちょっと皮肉めいた言葉を入れ込んでいるが、まったく嫌味に感じないのは、後半に向かうにつれ、シンプルな言葉やポジティブな言葉を繰り返す形にシフトチェンジしているからだろう。それが、現実から未来へのクレッシェンドのようで、跳ねるようなリズムの曲調との相乗効果で、この世の中が〈次の章（和訳）〉へと向かうためのメッセージソングのように聴こえてくる。そう思うと、ホシ、DK、スングァンの3人がトラックのスタートラインに並んだ『SECOND WIND』のジャケット写真が、今の世の中の気持ちそのものを表しているかのようだ。

※1：https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-03-01