RAKURA、ジャンルレスな楽曲を乗りこなす変幻自在の歌声 さなりとのコラボが生んだ新たな色合い

 一方で、過去曲でも制作に携わるプロデューサーRa-Uによるトラックは、楽曲に厚みをもたらす。例えば、楽曲の芯とも言えるような、全編においてリズムを刻み、響く、スネアドラムの出音の気持ちよさを指摘したい。打ち付けられるその音は、重さを楽曲に付与し、軽やかに歌われるRAKURAの言葉が地に足のついたものであることを、リスナーに思い出させるだろう。ある種の即物的な音の快楽を提供する、作品の奥底で鳴るその音は、全体に重力を生み出す。

 即物的な音の良さ、あるいはその真髄な重さと、RAKURAの自由な歌唱、そしてさなりのラップ。それぞれが違う感触を持って多層性を構築し、多様な色を鮮やかに塗るだろう。本楽曲は、RAKURAの過去曲同様、メロディの輪郭や展開がはっきりしている、いわば聴きやすい音楽でもあるかもしれない。ただし、同時にそういった音の質量の豊かさにこそ、耳を傾けるべきでもあるだろう。

 RAKURAは、色を塗り替える。そんな彼女は、何よりも音楽を自由に、そして開放的に解釈していることだろう。数多くのアプローチに溢れる彼女の活動は、一つの枠に囚われることも、それこそ一つの色に囚われることもない。R&Bやポップスを、グローバルかつ、国内の文脈も見据えて歌い、音を鳴らす彼女が次にどんな景色を見せてくれるのか。そこにどんな色が塗り足されるのだろうか。

■リリース情報
『Outlook feat.さなり』
配信中
https://rakura.lnk.to/outlook

RAKURA
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