NewJeans、数あるアニメ楽曲を抑えてバイラル首位 ストイックなトラックと爽やかな歌声が生み出す心地よさ
Spotifyの「Daily Viral Songs (Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの1月11日付のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:NewJeans「Ditto」
2位:結束バンド「ギターと孤独と蒼い惑星」
3位:鷺巣詩郎, Hazel Fernandes「Number One - Bankai」
4位:結束バンド「カラカラ」
5位:結束バンド「青春コンプレックス」
6位:結束バンド「あのバンド」
7位:&TEAM「Under the skin」
8位:10-FEET「第ゼロ感」
9位:Libianca「People」
10位:結束バンド「なにが悪い」
真っ先に目に飛び込んでくるのは、アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』(TOKYO MXほか)に登場する劇中のバンド、結束バンドの楽曲群。なんとトップ10のうち、半数の5曲が結束バンドの楽曲だ。女子高校生がバンド活動に青春を燃やす物語だけあり、ストーリー上でも劇中曲は非常に重要なファクター。アニメの盛り上がりに合わせて関連楽曲への注目度が高まった結果がSpotifyバイラルチャートにも反映されているようだ。そして、アニメ作品関連のランクインは、これだけではない。アニメシリーズ『BLEACH』から挿入歌の「Number One - Bankai」が3位に、映画『THE FIRST SLAM DUNK』からはエンディング主題歌の10-FEET「第ゼロ感」が8位にランクインしている。そんなアニメ作品関連楽曲の勢いが印象的なチャートにも関わらず、堂々の首位を獲得したのは、なんとNewJeansの新曲「Ditto」だ。
昨年夏にデビューするやいなや、瞬く間に音楽シーンを牽引する存在になったNewJeans。デビューミニアルバム『New Jeans』の衝撃が冷めやらぬなか、シングル『OMG』の先行公開曲として昨年末にリリースされたのが「Ditto」である。デビューミニアルバムから「Attention」「Hype Boy」「Hurt」の3曲を手掛けた、250(イオゴン)が「Ditto」でも制作プロデュースを担当する。ヒップホップとハウスが融合したボルチモアクラブからキックを強調することで、そこからさらにダンサブルなジャンルとして派生したジャージークラブの影響を強く感じさせる「Ditto」。どちらかと言うとヘヴィで「いかつい」イメージさえあるボルチモアクラブやジャージークラブだが、小気味のよいクラップ由来の疾走感をまとったボーカルの清涼感、そして美しいメロディラインとコーラスワークが、ストイックでダンサブルなトラックをキャッチーに仕立てている。90年代カルチャーやY2Kカルチャーへの繋がりを強く感じさせるデビューミニアルバム『New Jeans』に続き、「Ditto」もNewJeansメンバーと同世代のいわゆるZ世代にとっては斬新に、そして40代前後のリスナーには、どこか聴き馴染みのあるサウンドとして響くはずだ。