クリープハイプ、声と音楽で体感するバンドの軌跡 細部にまで“らしさ”が詰まった10周年記念展示会レポ

 12月29日から1月16日にかけて、クリープハイプのメジャーデビュー10周年を記念した展覧会『クリープハイプの声をシャワーのように浴びる展』が渋谷PARCOのPARCO MUSEUM TOKYOにて行われた。

 2016年に『クリープハイプの脳内博覧会 / 世界館 MADE BY DIS』、2018年には『クリープハイプのすべ展』を開催したクリープハイプ。今回の展覧会は「声の博物館」をテーマにしたもので、尾崎世界観はじめメンバーの声がいたるところから聞こえるものとなっている。

 入場時に配られる、QRコードを読み取るとメンバーがみくじの結果を読んでくれる「声みくじ」を手に早速入場すると、青いシャワーが設置された部屋に突き当たる。今回の展覧会では様々な仕掛けとともに彼らの声を聞くことができるようになっているのだが、シャワーヘッドの傍らにある蛇口をひねると、シャワーから尾崎の歌声が降り注いでくる。浴室を彷彿とさせるシャワーの水音とともに、歌詞に〈シャワー〉や〈お風呂〉がある「キケンナアソビ」と「愛の標識」を味わうことができる。

 次の部屋に進もうと部屋を出ると、どこからか「いてっ」と尾崎の声がする。下に敷かれたマットを踏むと尾崎が反応するようで、試しにもう一度踏んでみると「踏むなよ」と言われてしまう。そんな仕掛けを経て進むと、3つの扉が。「クリープハイプ様 控室」と書かれた扉の隙間に耳を寄せると、彼らの控室での話し声や笑い声が聞こえてくる。ライブポスターやパスが張られた扉からはライブの音源が、カラオケルームのような番号の振られた扉からは、カオナシがカラオケで歌っている歌声が聴こえてくる。薄く開いた扉に耳を寄せることで声を聞くことができるという、参加者が能動的に声を探しにいくような仕組みも面白い。

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