ビヨンセ初カテゴリでの受賞&アデルは3作連続受賞なるか 開催迫る『第65回グラミー賞』主要4部門のポイント総括

最優秀楽曲賞

・アデル「Easy On Me」
・ビヨンセ「Break My Soul」
・ボニー・レイット「Just Like That」
・DJ キャレド Feat. リック・ロス、リル・ウェイン、ジェイ・Z、ジョン・レジェンド、フライデー「God Did」
・ゲイル「abcdefu」
・ハリー・スタイルズ「As It Was」
・ケンドリック・ラマー「The Heart Part 5」
・リゾ「About Damn Time」
・スティーヴ・レイシー「Bad Habit」
・テイラー・スウィフト「All Too Well (10 Minute Version)(Taylor's Version)」

 アデル、ビヨンセ、ハリー・スタイルズ、ケンドリック・ラマー、リゾ、スティーヴ・レイシーの楽曲は最優秀レコード賞にもノミネートされているため、どちらかで受賞する確率は高い。グラミー常連であるテイラー・スウィフトは、意外にも今まで一度も当カテゴリを受賞したことがなく、「All Too Well」は2012年にリリースされた楽曲の再録バージョンであるため、2022年10月にリリースされた「Anti-Hero」が2024年の『第66回グラミー賞』にて受賞することが予想される。最優秀レコード賞が楽曲に携わった全てのプロセスを称える賞であるのに対して、楽曲賞は楽曲そのものを称える賞であるため、コンポジションという点ではハリー・スタイルズ、スティーヴ・レイシー、アデルに投票が集まる可能性も高い。

All Too Well (10 Minute Version) (Taylor's Version) (From The Vault) (Lyric Video)
Harry Styles - As It Was (Official Video)

最優秀新人賞

・アニッタ
・オマー・アポロ
・DOMi and JD Beck
・マニー・ロング
・サマラ・ジョイ
・ラトー
・Måneskin
・トベ・ンウィーグウェ
・モリー・タトル
・Wet Leg

 DOMi and JD Beckという新世代ジャズの天才2人が最優秀新人賞にノミネートされたことに驚きつつも、グラミー賞においてはMåneskinかアニッタに軍配が挙がると予想ができる。Måneskinは2022年の『第64回グラミー賞』で最優秀新人賞にノミネートされてもよかったと感じるが、昨今の世界的ブレイクや飛躍を考えると、Måneskinが今年受賞したとしても疑問を感じる人は少ないだろう。また、アニッタは出身国ブラジルではすでにスーパースターであり、南アメリカでの影響力を考えると受賞する可能性は高い。2021年にリリースした楽曲「Envolver」はTikTok経由でバイラルヒットとなり、SpotifyのGlobal Top 50チャートにて1位を獲得した初のブラジル人アーティストになった。また、音楽業界に従事する会員による投票という点では、デビューアルバム『Wet Leg』が各メディアで高く評価されたWet Legが受賞する可能性も考えられるだろう。

Anitta - Envolver [Official Music Video]
Måneskin - SUPERMODEL (Official Video)
Wet Leg - Chaise Longue (Official Video)

(※1、筆者訳)https://twitter.com/theweeknd/status/1331394452447870977?s=20&t=Ejco6SjcCvd9MJH6oP3k8w
(※2)https://www.billboard.com/music/music-news/recording-academy-welcomes-nearly-2000-new-members-1235136676/

『グラミー賞』ラップアーティスト選定はなぜ賛否両論? 第65回ノミネートから考える、ヒップホップ評価を取り巻く課題

2023年2月5日(日本時間:2月6日)に行われる『第65回グラミー賞』のノミネートが11月16日(日本時間)に発表され、連日話…

BTSやLE SSERAFIMに波及し世界的ブームへ 「Dem Bow」に始まりプエルトリコ、アメリカ本土へと渡った“レゲトン”の歴史

70年代の日本産ロボットアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』は、なぜかフィリピンで「国民的アニメ」として愛され続け、この2022…

関連記事