MAISONdes、『うる星やつら』EDテーマがバイラル好調 トリッキーな楽曲を乗りこなす、聴きどころ満載な花譜のボーカル
冒頭の台詞のようなワンフレーズから語感を重視しているのがわかる「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」は、軽快なバックトラック、歌詞の言葉数の多さ、早口のボーカル、2番で飛び出すラップなど、トリッキーで忙しい楽曲なのだが、メロディの一つひとつがタイトかつキュートでわかりやすい。
注目すべきはボーカル 花譜の滑舌の良さ。息つく間もないほど詰め込まれた言葉をクリアに聴かせながら、フレーズの最後の母音を早く切り上げたり、吐息のように抜いたり、少しビブラートをかけたりと、多彩なアプローチも見せてくれる。基本はリズムを重視して、音符にジャストで言葉を置きにいくスタイルで歌っているのだが、それが一変するのが〈冗談じゃあないわ〉の一節である。言葉を選ばずに言えば、このワンフレーズだけ、いい意味でかなりベタな歌い方をしていて、ため、しゃくり、一瞬だがこぶしまで披露している。リズムに対しても、このフレーズだけ少しディレイ気味にアプローチしており、ここがとても80年代っぽい。例えば、昨年TikTokでバズった泰葉の「フライディ・チャイナタウン」に通ずる80年代初期特有のベタさがある。語感のリズムとこぶしが同時進行するフレーズなんて初めて聴いたし、脳が感電するほど驚いた。音楽の自由度は無限だと改めて教えてもらった、今週のバイラルチャートであった。
※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-01-04