宮川大聖、ファンに希望を分け与えた『Contrast』東京公演 「2022年、自分の中で夢がたくさん見つかりました」

 中盤では、声色をがらりと変えながらワイルドに展開。固い音色のビートに乗せてうなるように歌った「aNYmORE」では仮面を剥いだように印象を変える。「AKEGATA」で〈嘆いても陽はまた昇る〉と歌う姿には、ライブ前半で見せたメッセージを伝えるような優しさというよりは、会場を牽引していくような存在感があった。タムを中心とした力強いドラミングと歪んだギターがラウドロックを彷彿とさせる「ロア」、鼓舞するような「ジャック・バイパー」と、雄々しく、ときに妖しげな歌声と激しいサウンドで圧倒するステージが続くと、新曲「ユートピア」へ。再び雰囲気を一転させ、柔らかな歌声で弾むように歌う。そしてクールな「レゾン」、「Wonder」へ。ギターソロの熱もほとばしり、熱いステージを繰り広げる。

 「2022年、自分の中で夢がたくさん見つかりました。もっともっと、みんなと一緒に広い世界を見たいなって思います。これまでもだけど、今回のツアーでよりそう思いました」と来年以降に向けて意気込んだ宮川。「夢を抱くのって簡単なことじゃないというか。活動を始める前、高校に入学した瞬間に将来の夢を書いてとか言われて、なんでそんなに無理やり決めないといけないのかとか、思ってもいない夢を書くのが嫌で白紙で出したりして。夢って一個しか作っちゃだめなんて決まりはないし、今年抱いたたくさんの夢、みんなが抱かせてくれた夢、だからこそみんなで一緒に叶えたい」と目の前のファンに向けて真摯に語る。そして静かに「Satellite」を歌い上げ、ダイナミックな力強さを発揮した「ラストアンビエント」、独白のように、ときに感情的に叫ぶようにして歌った「get out get」に続く。アウトロで、叫ぶようなギターソロが鳴り響く中、静かにステージから去っていき本編は終了した。ハードなサウンドから親近感のあるポップな楽曲までを、寄せ付けないようなクールな佇まいや柔らかい笑顔など、表情を変えながらパフォーマンスしたこの日。ストレートな感謝や意気込みの言葉とともに、宮川の彼の様々な姿が垣間見えた公演であった。

 アンコールでは軽やかに「ファンファーレ」を披露すると、「最後まで思いっきり盛り上がっていこう!」と「PARALYzE DAY」へ。カラフルな照明に彩られる中、賑やかに披露する。「とにかくみんなのキラキラした笑顔が見たくて。その笑顔が見れるのが生きがいなんです、これからもその素敵な笑顔を僕に見せてください」と話すと、ラジオでかかった際にTwitterでトレンド入りするなど、ファンの間で話題になったことで急遽セットリスト入りを果たしたという「蒼い夜」、そして「スターランド」に続く。希望を分け与えるように、〈スターランド夜空に羽ばたいていけ 小さな力で 君の本当の願いを叶えてみせるから〉と力強く歌い上げる。光に満ちた光景から届けられるその歌詞は、MCで語った「今年抱いたたくさんの夢」をともに叶えていくという誓いのようにも思えた。

宮川大聖、“奇跡の連鎖”への感謝と約束 進化を目標に掲げたツアーで見せるハイクオリティなパフォーマンス

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