岩田剛典、12年分の感謝を乗せた1stソロツアー開幕 しなやかなパフォーマンスで広げたアーティストとしての可能性
2度目のMCでは、翌日にデビュー12周年を迎えることに触れ、「まだ大学生だったデビュー当時の自分には何のスキルもなかったけど、周りの方々のおかげでいろんな景色を見ることができました。ファンの皆さんがいなかったら僕は自分を信じることができなかったし、ここまで走ってくることもできませんでした。12年間温かく支えていただいた皆さんに、心から感謝申し上げます」と頭を下げた。そして、自分自身のこれまでも踏まえながら「時に自分を見失ってしまうことがあるかもしれないけど、自分の心に正直に生きてほしい」というメッセージを伝えていた。今回のアルバムに収録されている楽曲の作詞のほとんどは岩田自身によるものだが、こうしてMCで客席に向かって発する彼の言葉を聞いていると、どの曲にもそういう自分の根底にある気持ちや指針がベースにあるからこそ、単なる“歌詞”で終わっていないのだと感じた。
「Distance」や「言えない」といったバラード曲は、歌うというより演じるような表現力でさらに深い世界観を作り上げる。ダンサーとの「DANCE TRACK」では、コンテンポラリー色の強いダンスで客席を圧倒。トークコーナーになると、気軽にファンの質問に答えながら心の距離を感じさせないコミュニケーションを展開する。「Be My guest」というプロジェクトについて、岩田は取材時に「音楽に限らず、自分の色、アイデアを表現できるライフワークの場として続けていきたい」と語っていたが、こんなふうに自分の中の表現の扉を開放しながらインプットやアウトプットができる環境から、今後どんな作品が生まれてくるのだろう。“自由”という2文字では収まり切らないような可能性を感じさせるプロジェクトは、きっとこれからも様々な人を巻き込みながら成長していくはずだ。
記念すべきデビュー曲「korekara」、会場を温かい空気で包み込んだ「Let Me Know」などをみんなで楽しみ、本編ラストは「皆さんからいただいたたくさんの愛への、恩返しのつもりで書いたラブソングです。僕の愛、受け取っていただけますか?」と呼びかけ、「Only One For Me」が披露された。
ライブ初日を観て感じたのは、EXILE、三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーである岩田剛典が、ソロとして“歌も歌っている”のではなく、1人のアーティスト・岩田剛典として、今届けたい想いを様々な形で表現し、ファンと笑顔で時間を共有するために全力でステージに立っているのだ、ということだった。初のソロツアーで感じた手応え、そしてさらなる創作への意欲がこの先どんな形になっていくのか、非常に楽しみになる初日の広島公演だった。
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