access、デビュー30周年迎えてもなお強くなる“最先端”への渇望 90年代から現在までブレない創作スタンスとは?

access、デビュー30周年インタビュー

「どうすれば突き抜けられるかを常に考えていた」(貴水)

貴水博之

ーー93年の全国ツアー『ACCESS TO SECOND』のファイナルが武道館公演(12月28日)で……。

貴水:3rdアルバム『DELICATE PLANET』で念願の1位を獲得できました。

浅倉:今はなくなったけど、当時所属していた<ファンハウス>というレコード会社も新しくて、方程式がないまま、手探りと勢いで僕らと一緒に走ってくれました。もちろんファンの人たちも一緒に加速してくれたし。その意味では、一躍より「一丸」のほうがピッタリな時代だったかも。

ーー浅倉さんは、10代からヤマハでシンセサイザーの開発に携わったり、小室哲哉さんのサポートをしたり、ソロアルバムも2枚作っていたから、デビュー時から“accessならではのサウンド”を意識していたのではないですか?

浅倉:正直、accessらしいサウンドをそこまで強く意識していませんでした。30年前は、ひらめきや試行錯誤の連続だった気がします。音もある意味、出たとこ勝負(笑)。あの頃から変わらないものがあるとしたら、そのときそのときの最新の音を目指す、ということだけ。accessらしい音を意識したのは、2002年に再始動するときでした。アルバムでいうと『CROSSBRIDGE』。そのせいか、あの頃のデモ音源は、かなり作り込んでいました。HIROに聴いてもらうときは、ほぼ完成形。それに比べたら、デビュー当時は、キー合わせもしなきゃいけないし、HIROの声が一番輝く音域を探らなきゃいけないので、ボクだけでは進められませんでしたね。HIROは「もう半音上げて」と、よく言っていたよね。

貴水:言ってた。accessを始めると決まったとき、大ちゃんは小室さんとのつながりやTM NETWORKのサポート、ソロアルバムとか、すごいキャリアもあるし、もう完成されている人に見えていて。自分も誰にもない何かを魅せたいというか、ずっとそれが頭の中にあったから。

浅倉:そんなことを思ってたんだ。今、初めて聞いた。

貴水:高いキーもそうだし、ライブパフォーマンスも衣装も、どうすれば突き抜けられるかを常に考えていた。

浅倉:あの時代に地声でトップ(もっとも高い音)がDまで出せる男性ボーカルはいなかったと思うよ。今は、生まれたときから、ハイトーンボーカルを聴いて育った世代も出てきたから、それなりに高い音も出せるけど。当時は、トップがファかソが一般的。なのにレが出せちゃう。規格外だよ。1stアルバムに収録されている「LOOK-A-HEAD」の〈夢さえ…〉の〈さ〉がそのレ。今のライブでもキーを下げず、あのレを出し続けているのも規格外だし、驚異的だよね。HIRO自身も喉や体にかなり気を遣って維持していると思うけど……。

貴水:20代は、極論で言うと二日酔いでもライブができたけどね(笑)。今は、さすがにそんな無茶はできないし。喉のために生きてるってくらいケアしてる。

浅倉:喉のために生きてる? 言い過ぎ(笑)。

貴水:あ、今のはちょっと大袈裟だったかな? でも、酒ももう普段は飲まないし、ジムにも、ボイストレーニングにも通っているし。部屋にいても日焼け止めクリームをしっかり塗ってる(笑)。

浅倉:HIROのおかげでSPFという言葉を覚えた(笑)。

貴水:Sun Protection Factor。

浅倉:accessが30周年だし、日焼け止めはSPF30を使ったらいいって言われています(笑)。

ーー90年代のaccessもダンスミュージックへ傾倒していましたが、2002年に再始動してからのライブでは、トランスやダブステップなどのEDMへ大きく傾倒しましたね。

浅倉:エレクトリックミュージックは、あの頃も今も、常に時代の最先端にある音楽です。70年代末はテクノ、80年代末はユーロビート。accessもデビュー当時から「AGAINST THE RULES」のように踊って盛り上がる曲をやっていました。で、活動再開直後の2000年代初期は、「EDGE」のようなトランス、2010年代に入ったら、「JOY TRAIN」や「S」などのEDMをやっていました。ただ、トランスにしても、EDMにしても、そういう言葉がまだ広まる前だったので、どういう曲か説明するのが難しかったですね。「トランスです」「EDMです」と、もっと言えばよかった(笑)。

ーー2017年、浅倉さんは小室さんとのユニットPANDORAで、EDMの祭典である『Ultra Japan』に出演されましたよね。

浅倉:はい。それよりも4、5年前の「JOY TRAIN」や「S」の頃は、EDMと言っても、音のイメージが浮かばない人のほうが多かったでしょうね。まずEDMという言葉の説明からしなきゃいけなかったと思います。

貴水:俺は言ってたよ。大ちゃんに教えてもらったから(笑)。

浅倉:たとえば「EDGE」にしても、トランス状態になれる曲を作りたかったので、完成したら6分30秒くらいになっていて。一瞬、シングルとしてどうなんだろう? と考えたけど、あの尺も重要なポイントなので、そのままリリースしました。あれがシングル曲の中で最長だと思います。もしも音楽ジャンルのトランスという言葉を使ってプロモーションしていたら、みなさんの理解も違っていたかもしれませんね。

貴水:大ちゃんの音はいつも時代より一歩早いから、活動再開してからもそのサウンドにアジャストするビジュアルやパフォーマンスを、自分なりに考えていました。年齢やキャリアのよって変化する部分があるにしても、大ちゃんが作る音に刺激を受けて変わることがほとんどです。

ーー2002年頃の金髪ロン毛も?

貴水:そうそう、あれもそのひとつ。トランス仕様(笑)。

浅倉:HIROが面白いのは、大事な写真やビデオを撮る前日に、いきなり金髪にしたり、髪形をガラッっと変えちゃうところ(笑)。ボクの分析では、居ても立っても居られない、はやる気持ちがそうさせるんだと思っています。

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