TWICEメンバー分析 第9回:ダヒョン、溢れる才能と創造性で楽しませるエンターテイナー

 2022年7月、メンバー全員が所属事務所との契約更新を行なったことが発表されたTWICE。これまで本シリーズでは、K-POPシーンを代表するビッググループに成長したTWICEのメンバー一人ひとりの魅力を綴ることで、彼女たちがスターたるゆえん、世界中の人々の心を捉えてやまない理由を捉えようと試みてきた。そして最終回となる本稿で焦点を当てるダヒョンもまた、彼女しか持ち得ないその輝きで、「スター」=星のようにきらめく存在となっている一人である。

 まずダヒョンについて考える上で、真っ先に筆者の頭に浮かんだ言葉は「エンターテイナー」だ。彼女のエンターテイナーっぷりは、過去に行われているハロウィンイベントにて毎度突出して気合の入った仮装を披露したり、TV番組に出演した際にはコメディアン顔負けのパフォーマンスで大爆笑を誘っている姿からも十分に伝わることだろう。

 一方でファンの間での彼女は、TWICEのメンバー同士で過ごしている時などは率先して発言するタイプではないというイメージを持たれることが多い。どちらかと言えば、他のメンバーが発言しているのを静かに見守っていることの多い彼女が、バラエティ番組やコンサートなどで“盛り上げ役”を求められた際には、カメラ前に躍り出て、いたって冷静に、優雅に、そしてスマートにその場を大いに盛り上げる。普段見せる様子とのギャップと、その鮮やかさを見ていると、周囲を楽しませることは彼女にとって、ある種の使命なのではないか、と思えてしまうほどだ。

 さらにダヒョンのエンターテイナーたる実力は、TWICEのコンサート中に遺憾なく発揮される。近年では韓国だけでなく、日本、タイ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、アメリカ、メキシコなど様々な地域で公演を行っている彼女たちだが、ダヒョンのパフォーマンスはいかなる言語や文化圏のオーディエンスも掴んで離さない輝きを放っている。

 その理由として考えられるひとつは、彼女の持つ表現能力の普遍性だろう。彼女の“動きや表情でみせる”ユーモアは言葉の説明は不要、ゆえに幅広い地域のオーディエンスを沸かせることができるのだと思う。

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