JUJU、“ユーミン愛”に溢れた夢のような夜 松任谷由実もサプライズ登場した『不思議の国のジュジュ苑』最終公演

 鳴りやまない、アンコールをリクエストする拍手に応えJUJUとメンバーが再登場すると、JUJUが今回の壮大な企画について、改めて語ってくれた。「今日はこの『不思議の国のジュジュ苑』ツアーの締めくくり。決死の覚悟でお願いに上がってこの種を撒いて、『ユーミンをめぐる物語』というアルバムで芽が出て。そしてこのツアー、このショーという大きな花を咲かせました。皆さんの未来にも、毎年素敵な花が咲くように」と、新曲「花」を披露。切なくも強いミディアムバラードを歌うと、その慈愛に満ちた美しい世界に誰もが引き込まれていく。ストリングスが響き渡り「Hello, my friend」を歌い始める。そして楽曲が転調して空気が変わると、黒のレザーパンツにJUJUのツアーTシャツを着たユーミンがステージに登場。会場全体が驚きと喜びの拍手に包まれ、観客も思わず総立ちになる。

 まずはユーミンの歌が会場中に広がり、途中からJUJUの声が重なっていく。カバーアルバムの“ユーミンはいつも私を連れ出してくれた。”という謳い文句の通り、JUJUを色々なところに導き、女性として、そして人としての気づきや発見を与えたユーミンという偉大な存在。ステージ上でデュエットしているJUJUの心中を考えると、グッとくるシーンだ。

 まだ夢のデュエットは続く。「やさしさに包まれたなら」で柔らかなハーモニーを奏でると大きな拍手が贈られる。歌い終え、JUJUがユーミンにデビュー50周年のお祝いの言葉を贈ると、ユーミンは「色々なところでお祝いしてもらうけれど、このショーが最高のプレゼント。ありがとう!」とお礼の言葉を返す。JUJUは溢れそうになる涙をこらえながら、感激の表情を見せていた。「少し早いけれど、来年もいい年になりますように」と語り、ラストはカバーアルバムのオープニングナンバー「A HAPPY NEW YEAR」を2人で披露。ユーミンが「ハッピーニューイヤー!」とひと足早いメッセージを届けたところでライブは終幕した。

 不思議の国の出口には、とっておきのサプライズが待っていた。ファンにとってもJUJU本人にとっても、忘れられない“夢の一夜”となったはずだ。カバーアルバム『ユーミンをめぐる物語』もこのツアーも、関わっている全ての人のユーミン愛が溢れた、至福の作品&ライブになった。

 なお、JUJUはステージ上から、来年6年ぶりに“スナックJUJU”のママとして、全国47都道府県を回るツアーを行なうことを発表した。

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