アミューズ、山梨県西湖に新本社「AMUSE VILLAGE」グランドオープン 新しいモノづくりへの挑戦の第一歩を刻む

 創業45年を迎えた株式会社アミューズは、創立記念日となる2022年10月16日に、新本社「AMUSE VILLAGE(アミューズ ヴィレッジ)」をグランドオープンした。

 アミューズは、2021年7月、富士山麓の山梨県南都留郡富士河口湖町・西湖に本社を移転している。そして今回、長年の構想期間を経て、雄大な自然の中で心と体を解放し、自由に創造することができるような場づくりを目指して、「AMUSE VILLAGE」をオープンする運びとなった。この場には、フラットで解放感のあるオフィス、食堂やBBQ会場、宿泊施設、また、アーティストが自らを磨くレッスンルームや撮影スタジオなどの施設が完備されており、社員の新しいオフィス環境の一つになるだけではなく、社員やアーティストの交流の場になる。「AMUSE VILLAGE」は、今後のアミューズにとって、チームとしての結束力を高め、モノづくりを突き詰められる場として機能していくことになる。

 またアミューズは、この地で、富士すばるランド内でのキャンプや体験型アドベンチャー企画をはじめ、長年のエンターテインメント業で培ったノウハウを活かしたアウトドア・エンターテインメントの提供に取り組み始めている。山梨県の事業者や団体と連携しながら、自然環境を活かしたコンテンツサービスの開発などの共創事業を次々と展開していく予定で、2022年4月には、新たにアドベンチャー事業部が立ち上がっていて、すでに西湖畔にて「HOBIE(ホビー)」(燃料を使わない足漕ぎカヤックで、通常のカヌーやカヤックとはひと味違う新しい水上アクティビティ)の試艇体験のレンタルおよび販売事業をスタートさせている。

 今回のグランドオープンは、今後のアミューズグループの大きな構想の実現に向けた第一歩であり、「AMUSE VILLAGE」は、そうした新しい未来を見据えた重要な拠点となる。筆者は、「AMUSE VILLAGE」に足を運び、現地の見学を通して、今まさに"新創業期"に突入したアミューズの熱量を感じ取った。この記事では、グランドオープン当日に現地で開催されたオープニングセレモニーの模様をお届けする。

 オープニングセレモニーの会場がある建物「レイク」のエントランスに入って真っ先に目に飛び込んできたのが、ギャラリースペースにある「It's coming soon (新しい世界は、すぐそこに。)」という英文字のネオンアートだった(ネオン・アーティストWaku氏による作品)。そして、同エリアには、「It’s coming soon」に込められた想いがポスターとして掲示されていた。

《混沌としたこの世界を
安心して子供たちに
引き継げるだろうか。
全くそうは思えない。

雄大な自然に囲まれた
この場所で、
改めて世界に目を向けて
アミューズができることと
向き合いたい。

やるべきことは山ほどある。
いまこそ話そう。
みんな違うのがおもしろい。
争いのない未来は、すぐそこだ。》

 アミューズは、創業以降、ミュージシャンや俳優をはじめ様々なアーティストのマネージメント業に取り組んできたが、この宣言は同社の全く新しい未来を予感させるものだ。オープニングセレモニーにて、中西正樹氏(代表取締役社長執行役員)は、昨年の移転、および、「AMUSE VILLAGE」のオープンについて、このように語った。

「世界遺産である富士山のもと、所属アーティストと社員が心と体の健康を整え、コミュニケーションを深め、インスピレーションを感じながら、これまで以上にアミューズが一つとなって感動を作っていく場所を実現するために、これまで長い時間を費やして試行錯誤を繰り返しながら、徹底的にこだわり抜いて準備を進めてまいりました」

「たくさんの方々のお力添えがありまして、本日10月16日の創立記念日に、こうして皆様にアミューズの新しい大きな第一歩をお披露目できることを、本当に嬉しく思います」

 今年の6月には、地域経済の活性化を目指して、山梨県と包括連携協定を締結した。アミューズがこれまで培ってきたプロデュース力は、今後、アーティストや作品にとどまらず、山梨県の大自然を舞台とした企画にも活かされていくことになる。山梨県との連携について、中西氏はこう語った。

「アミューズがこれまで培ってきた“見つけて、育てて、広げていく”プロデュース力により一層の磨きをかけて、地元の方々と力を合わせて、山梨県を、そして日本を盛り上げまして、世界へと発信していきたいと思っております。ここ『AMUSE VILLAGE』から新時代へ向けて挑戦するアミューズを、どうぞ皆様よろしくお願いいたします」

中西正樹氏

 続いて、長崎幸太郎氏(山梨県知事)が登壇し、アミューズの新しい門出に力強いエールを送った。

「芸術の源泉、クリエイティビティの源泉である富士山の麓で、アミューズさんをお迎えできたこと、心から歓迎をしたいと思います」

「アミューズさんの“楽しさをつくる力”を大切に活かさせていただきながら、アミューズさんも発展する、山梨県の地域の皆さんも幸せになるような場所づくりに向けて、我々もできる限りの力で支援、むしろ参加をしてまいりたいと思います。改めまして、45周年、心からお祝いを申し上げます。本当におめでとうございます」

長崎幸太郎氏

 そして、セレモニー後の取材で、中西氏は、今後の展開について次のように語った。

「音楽イベントを大自然の中で開催しやすい環境が山梨県にはあると思っています。こういった環境の中で、どのように皆さんに音楽を楽しんでいただけるようにするか? というイメージは持っていますので、これまで培ってきたノウハウをもとに最終的には実現したい。そのためには、やはり地元のことをもっと知ることが大切で、地元の魅力を分かった上で掛け合わせていきたいなという思いがあります」

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