ディズニー音楽を豪華オーケストラ&ボーカルで堪能 20周年迎えた『ディズニー・オン・クラシック』を観て
休憩を挟み、第二部へ。この日はA公演『塔の上のラプンツェル』が披露された(B公演の日は『ノートルダムの鐘』)。作品のストーリーに沿ってダイジェストのようにシーンに合わせた楽曲が展開される形式で、ラプンツェル役のケイリー・ルビナッチオはピンクのドレス、マザーゴーテル役のトリシア・タンガイは赤いドレス、といったキャラクターに合わせた服を身に纏っていた。フライパンなどの小道具が出てきたり、歌ではなくセリフを発するシーンもあったりと、あらゆる形でラプンツェルの世界を表現していて、どんどん引き込まれていく。
特に印象に残ったのは、ラプンツェルとフリン・ライダーがランタンを飛ばすシーンで歌われる「輝く未来」。オーケストラが奏でる美しいメロディとまっすぐに伸びる歌声がたまらなく、ボーカリスト二人の掛け合いもとてもロマンティックだった。他にもラプンツェルのアイデンティティとも言える長い髪を切ってしまう緊張感のあるシーンは非常にスリリングで思わず息を呑んでしまったし、ラストの王国のシーンのコーラスも圧巻だった。
アンコールは毎年恒例の「星に願いを」。ヴァイオリンやグランドピアノのサウンドと歌に出演者のペンライトや夜空のような照明が組み合わさり、会場は幻想的な空間に包まれた。実際には会場を埋め尽くす観客のペンライトも加わることで、さらに素敵な景色になるはず。幸福感に満ちたまま、夢の時間のような公演は幕を閉じた。
ディズニーの作品をオーケストラとボーカリストの生演奏で堪能できる『ディズニー・オン・クラシック』。長年のファンはもちろん、初めて見る方も楽しめるプログラムになっており、一度見ればリピーターが続出するのも納得だ。ぜひ会場に足を運んで20周年のお祝いをすると同時に、ディズニー音楽によってもたらされる感動を味わってみてほしい。