s**t kingzは、いかにして確固たるポジションを築いたのか 結成15周年記念舞台公演『HELLO ROOMIES!!!』を前に総括

 4人組ダンスパフォーマンスグループ・s**t kingzの結成15周年記念舞台公演『HELLO ROOMIES!!!』が、9月14日からスタートする。同作は「超踊る喜劇(コメディ)」という新しいジャンルで、ダンスを軸にしたコメディ要素が詰め込まれた内容をストーリーで表現。次々と新たな取り組みをしてきたs**t kingzらしさが感じられそうだ。

 まずは、s**t kingzについてからおさらいしていきたい。shoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人からなる彼らは、2010年、2011年と2年連続で世界屈指のダンスコンテスト『BODY ROCK』で優勝を果たす。それがきっかけとなり、世界中からの注目度が急上昇。25カ国以上を訪問し、パフォーマンスを行なってきた。もちろん国内での活躍も枚挙に暇がない。『スッキリ』(日本テレビ系)や『めざましテレビ』(フジテレビ系)などの朝の情報番組では彼らについての特集が組まれ、『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)、『うたコン』(NHK総合)、『プレミアMelodiX!』(テレビ東京系)などの音楽番組にはアーティストとして出演。とりわけ、2021年3月19日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に“歌唱しないダンスアーティスト”として単独出演した際には、大きな話題となっていた。また8月27日、28日に放送された『24時間テレビ45』では、『ヒルナンデス!』(ともに日本テレビ系)とのコラボ企画「日本に元気を!戦後70年を彩るダンス&ファッションSPショー!」で振付監修を担当。両国国技館で生パフォーマンスを行ない、ウッチャンナンチャン・南原清隆とともにマイケル・ジャクソンメドレーを披露した。

 それに加え、今や三浦大知やBLACK PINKなどJ-POP、K-POPアーティストの振付を350曲以上担当。昨今を振り返っても木村拓哉「I'll be there」(kazuki)、BE:FIRST「Betrayal Game」(NOPPO)、「Scream」(kazuki)、岩田剛典「Ready?」(Oguri)、King & Prince「Bounce」(NOPPO)、Da-iCE「スターマイン」(shoji)など、トップクラスのアーティストたちの作品に携わっている。

 だからこそコレオグラファーとして認識されがちだが、彼らはあくまでも“ダンスパフォーマンスグループ”だ。2013年の初単独公演以降ほぼ毎年単独公演を開催し続けており、様々なアーティストとのオリジナル楽曲も制作。例えば2021年9月16日から行なわれた『s**t kingz Dance Live 2021~ダンスが好きなただの変人~』。1st“見るダンス映像アルバム”『FLYING FIRST PENGUIN』を携えてのライブとあり、収録曲「FFP feat.C&K」、「Oh s**t!! feat.SKY-HI」をはじめ、「えがお! feat.PES」なども披露。今回の結成15周年記念舞台公演『HELLO ROOMIES!!!』のテーマ曲も、CHAI(「N.E.O.」をサンプリング・編曲)×Novel Core(歌唱・作詞)という豪華な顔ぶれによる「TRASH TALK feat.Novel Core」が起用される。こうした精力的な楽曲制作の裏側には、『FLYING FIRST PENGUIN』リリース時に語っていた「魂を込めて作ったダンス表現をちゃんと残して、たくさんの人に見てもらうためには?と思い、ダンサーという表現者が先頭に立った作品づくりをしました。この挑戦を通して、ダンスをもっと主役にして行きたい」(※1)という思いが込められているのであろう。

関連記事