乃木坂46の歴史に刻まれた3期生の6年間 12人の変わらぬ絆、11人での新たな成熟

 乃木坂46 3期生が、本日9月4日でグループ加入から6周年を迎えた。

 先日、グループにとっての聖地・明治神宮野球場にて閉幕となった『真夏の全国ツアー2022』。神宮初日の前夜、『乃木坂工事中』(テレビ東京)内で解禁となったあるCMがあった。今回のツアー開幕前にグループの公式Twitterにてツイートされた「わたしたちが、アイドル。乃木坂46です。」という力強い表明文を、メンバーの個人活動やライブ映像を交えながら、グループを代表する7人が読み繋いでいくというものだ。齋藤飛鳥を先頭にして、山下美月と与田祐希の3期生、遠藤さくらと賀喜遥香の4期生、梅澤美波と秋元真夏の副キャプテン/キャプテンの顔がズラッと並ぶ。筆者は現地と配信とで神宮公演の3日間を見届けたが、改めてこのCMを見返すと「WE ARE THE IDOL.」の文字に込められた説得力、そして乃木坂46の今と未来を表現した映像だとより強く思える。

 2016年9月、乃木坂46を担う次世代として加入してきた3期生12人への注目度は凄まじかった。同年12月に行われた『お見立て会』の会場は日本武道館。当時、橋本奈々未の卒業を控えた乃木坂46は本格的なグループ人気を獲得し始めた頃で、過度な期待がそのまま3期生へと向けられていた。2017年2月には乃木坂46にとっての登竜門とも言える『3人のプリンシパル』が上演。同年5月、初お披露目から約5カ月にして『3期生単独ライブ』が開催された。これが「期生」という冠がついた乃木坂46史上初めての期別ライブであり、『TOKYO IDOL FESTIVAL』への出演など、「乃木坂46 3期生」といった括りでのメディア露出の仕方は形こそ違えど、現在の5期生へと続いている。

 同時に3期生の存在によって「2期生」「1期生」といった逆説的な捉え方が強調されはじめたのもこの時期であり、2017年に開催された神宮公演で今も語り草となっているのが3期生、2期生、1期生とバトンを繋ぐように披露された期別ブロックだ。今回の『真夏の全国ツアー2022』ではメンバーが自身のブログを読み上げ、その内容にまつわる楽曲を披露するというブロックがあった。久保史緒里は自身がセンターを務める「羽根の記憶」のパフォーマンスに繋がるブログの中で、当時の先輩メンバーの偉大なる背中を回顧している(※1)。膨れ上がっていく周りからの期待に、実力が追いついているとは自信を持って言えなかった初めての神宮。あれから5年が経ち、今3期生はグループの先頭を切り、4期生や5期生に背中を見せる側となっている。

 特にシングルセンター経験者でもある山下と与田は、それぞれ「ガールズルール」「夏のFree&Easy」で会場を扇動していく、3期生を代表するメンバーへと躍進している。当時、アジア進出が活発化していた乃木坂46が、2019年1月に開催した台湾公演にて多くの楽曲でダブルセンターを張っていたのがこの2人だった。同年11月には国立代々木第一体育館にて『3・4期生ライブ』が行われ、加入当初から頭角を現していた山下と与田が先輩として背中を見せる立場になったのはこの時期からだったとも言える。山下が賀喜と出演した8月29日オンエアの『TOKYO SPEAKEASY』(TOKYO FM)は互いに慕い、敬う2人の相思相愛の関係性が感じられたとともに、山下の有言実行の精神が滲む内容でもあった。神宮の最終日においても、同時期に隣接する国立競技場で矢沢永吉のコンサートがあったことを話し、「私たちもいつか国立でライブをしたい」と乃木坂46にとっての次の夢を口にする姿は頼もしく、日産スタジアム公演を経ている今のグループにとっては現実味を帯びた坂の頂上とも言えるだろう。

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