SOMETIME’S、長く深い関係のOmoinotakeと立った渋谷クアトロのステージ ツーマンライブシリーズ『League』締めくくる

 SOMETIME’SはメンバーのSOTAとTAKKI(Gt)に、ツーステージ目の冨田とぬましょう、そして藤田道哉(Manipulator)、佐々木恵太郎(Ba)、清野雄翔(Key)、大泊久栄(Tp)、永田こーせー(Sax)という9人編成でオンステージ。冨田がビートを刻むなか、SOTAが「どうぞよろしく!」と投げかけ、「My Love」で陽気に幕開けだ。3カ月一緒にライブをやってきたメンバーのため、コンビネーションはばっちりで各々のソロプレイも抜群。バンドメンバーのプレイに触発され、目に見えてノリノリになりながら歌っているのがSOTA。聴く人の心を熱くさせるような痛快なフレーズをあくまでスマートに奏でるという、ギターヒーローでありながら職人的な佇まいを見せるのがTAKKI。

 4月、6月、8月のライブ開催に併せて1曲ずつ新曲をリリースし、『League』には毎回異なるセットリストで臨んだSOMETIME'S。8月にリリースされた新曲「夏のMagic」はライブ中盤で演奏された。季節感を意識しての曲順だろうか、「真夏の太陽」を終えたあと曲間をほとんど空けず、イントロのギターリフがすぐにスタート。そのリフで「夏のMagic」だと気づいた観客が自然と手拍子する。何と言ってもこの曲の聴きどころは、艶や瑞々しさを湛えた長尺のギターソロだろう。また、ライブだとビートが肉体的になる分、静と動のコントラストがよりはっきりしているほか、アウトロではバンドのセッションが追加されている。

 その他にあったこの日ならではのハイライトといえば、「Omoinotakeが、主にエモ(福島)が好きだと言ってくれている昔の曲をやりたいと思います」(SOTA)と「Masterpieces」を披露した場面だろう。ファルセットを中心とした繊細な声色で歌い上げる全編英詞のバラードは今ではめったに演奏されない曲だが、「夏のMagic」と通ずる空気感があり、バンドの歴史は確かに繋がっているのだと感じる。そんななか、MCでは、OmoinotakeのMCを振り返りつつ、「レオだけ思い出を何も言ってくれなかった」(TAKKI)、「これから作っていったらいいんじゃない?」(SOTA)、「ですかね?」(TAKKI)と笑い合う2人。そして「Omoinotakeの路上ライブを観に行ってから5年。クアトロでツーマンができるとは……思ってたけどね。今日こうして交われたことが幸せだな、運命的だなと思っています」(SOTA)と噛み締める。

 その後も晴れやかなサウンドで演奏を重ね、ライブは終了。終盤で特に印象に残ったのは「Somebody」で、キーボードをフィーチャーした間奏を筆頭に、音源とは全く違うアレンジをバンドがいきいきと鳴らしているのがとにかく痛快だった。アンコールのMCでは、Omoinotakeからしかもらえない感情をいっぱいもらったし、同じように、YAJICO GIRLやNakamuraEmiから教わったこともあったと振り返った2人。4月にリリースされ、『League』とともに育った「Somebody」の変貌ぶりは、SOMETIME'Sが過ごした刺激的な日々をある意味象徴していたのかもしれない。積極的なインプット&アウトプットによって得たものは今冬リリースのEPやその先の活動にきっと活かされるだろう。

※1:https://realsound.jp/2022/08/post-1102519_2.html

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