宝塚×LDH『HiGH&LOW -THE PREQUEL-』舞台稽古に密着 観劇前に知っておきたいエレガントで大迫力な演出ポイント
そして主軸として描かれるのはコブラと、本作オリジナルキャラクターであるヒロイン・カナ(潤花)の悲しき恋。そして街を守るという信念を持つコブラに「守るべきものができると弱くなる」という言葉がつきまとう。なお、ふたりが出会う場面や、舞台装置や映像を駆使したデートシーンも見どころとなっていた。
そしてエンディングに向かって、それぞれのチームの運命が交わっていく。戦いと恋愛の果てにコブラが見出すものとは。そして登場人物たちが描く群像劇の行方とは。
一方で同時上演の『Capricciosa(カプリチョーザ)!!』は放浪の伊達男・カプリチョーザが、イタリア各地を巡る中で遭遇する様々な出来事を綴った大人の雰囲気漂うショー作品。
こちらは宝塚歌劇の真骨頂といえる内容となっており『HiGH&LOW ―THE PREQUEL―』と見比べることで、そのコントラストを感じられるのではないかと通し稽古から思わされた。
通し稽古の観劇後に残ったのは「明らかに令和の宝塚は攻めている」という感想だ。「宝塚歌劇」という型を破って何か新しいものが生まれる萌芽がここにある。それは千秋楽に向け、さらにブラッシュアップされていくことだろう。
チャレンジと王道をともに楽しめる本公演、ぜひ劇場で体感してほしい。