関ジャニ∞メンバー分析 第4回:村上信五、“関西ジャニーズ”スタイル確立したエンターテイナー 一貫した実直さと親しみやすさ
表現者として発揮されるポテンシャル
エンターテイナーとしての村上を語るときに欠かせないのが、一人舞台『If or…』だ。2009年から2018年の間で300公演を完走した同舞台は、「もしも村上が○○だったら」をテーマにストーリー仕立てで進行。作・演出・出演すべてを村上がセルフプロデュースしているという、まさに村上の真骨頂とも言える。『If or…X』DVDの特典映像内でシリーズを振り返り「(ジャニーズ)Jr.含めて一番失敗している」と自らを評していた村上だが、グラビアアイドルからホスト、甲冑武者、怪獣に扮した“信・五ジラ”など多彩なキャラクターを演じては毎回話題となっていた。筆者も村上の鋭い観察眼と分析力に驚かされたことを鮮明に覚えている。
また村上は、ダンスに関してあまり取り上げられる機会がないように感じるが、デビュー時からグループ内でも卓越したダンススキルを持っている。前述の舞台でも、近藤真彦のカバーで知られる「アンダルシアに憧れて」を喪服の女性姿で披露。ヒールを履いているにも関わらず、華麗な脚上げなどキレのあるダンスを披露した。体幹の良さを実感できる軸のブレないダンスも見どころの一つである。
村上の歌声は音域の広さが特徴で、『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で行われた声のタイプ診断では“ミックスタイプ”に分類されていた。ソロ曲「Dear...」は低音から始まるものの曲中で高音まで網羅されていることからも、音域の広さが窺える。加えて、キーボーディストとしてのポテンシャルも発揮している。『KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT』完全生産限定盤収録のドキュメンタリー映像では、楽曲のアレンジを行う様子も。しかし、そのことについてスタッフに尋ねられると「たまたま時間があったから」とサラリとかわすのも、謙虚な村上らしい。
ラジオからバラエティ、スポーツ特番まで幅広いジャンルに携わる村上だが、彼の勤勉な一面をファンはよく知っている。2007年のライブDVD『47』に収録された「寝起きドッキリ」の特典映像では、村上の枕元に当時のベストセラーである渡辺淳一「鈍感力」が。その姿勢は今でも変わらず、前述のドキュメンタリー映像では自身の番組のゲストに関する書籍を手にする姿が収められており、アップデートを欠かさない日頃の努力に相手へのリスペクトを忘れない姿勢が、現在の彼の多忙ぶりに繋がっているのだろう。
村上がキーボードを弾きながら片手で煽ると観客もレスポンスを返し、会場が大きく揺れる風景は、関ジャニ∞のライブの定番となっている。そんな愛すべき“ヒナちゃん”は、全eighter(関ジャニ∞ファンの総称)が信頼を寄せる司令塔である。
※1:https://news.allabout.co.jp/articles/o/46807/
※2:『TV GUIDE Alpha EPISODE YY』(VOL.51)
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