乃木坂46、期別毎に振り返る波乱の1年 “真の世代交代”を経て向かう次なるフェーズは?

4期生

 賀喜遥香が「好きというのはロックだぜ!」にて、遠藤さくらに続き2度目の単独センターを担当。現在、乃木坂46では齋藤、山下、与田、遠藤、賀喜がフロントに立つことが多く、遠藤と賀喜は先輩3人と並ぶ現役エースへと成長した。

 また、30thシングルは4期生から過去最多の9人が選抜入りを果たしており、2021年1月リリースの26thシングル『僕は僕を好きになる』から1年半、5作品にわたって選抜に定着していった成果と言える。この1年間で顕著なのは、バラエティやラジオ、CMなど、先輩との出演ではなく、4期生単身で打席に立ち、きちんとヒットまたはホームランを打つことができるメンバーが増えたこと。清宮レイの『ラヴィット!』(TBS系)シーズンレギュラーをはじめ、『真夏の全国ツアー2022』北海道公演開催と“きつねダンス”によるバズで今ノリに乗っている金川紗耶、『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)に『ラヴィット!』と出れば必ずトレンド入りする新たなバラエティエースの弓木など、遠藤と賀喜だけでなくバッターがまだまだ控えていることは、4期生全体への信頼に繋がっている。

乃木坂46『ジャンピングジョーカーフラッシュ』

 また弓木を含め、坂道研修生を経て4期生として加入した5人の台頭も目立つ。30thシングルに収録の4期生曲「ジャンピングジョーカーフラッシュ」は、初センターを務める筒井あやめも注目ポイントだが、林瑠奈、佐藤璃果の2人が筒井と並ぶフロントポジションに選ばれていたことはファンを喜ばせた。特に林は以前からアンダーライブでのパフォーマンスが高く評価されていたメンバーで、MV公開と同時に林の名前がトレンド入り。選抜/アンダーに関係なくそれぞれの立ち位置で輝くことができる4期生、総勢16名の層はとてつもなく分厚い。

5期生

 今年2月、5期生11人はバラバラの走り出しとなった。風当たりは強かったが、それでも応援してくれている人は必ずいる。筆者は日産スタジアム公演で「Actually...」のイントロに響いた温かな拍手が今も忘れられない。

 5期生にとってこの半年は人生の中で最も濃い期間となったことだろう。2度の『お見立て会』を経て、初めて立ったライブのステージは日産スタジアム。さらに『真夏の全国ツアー2022』に、5期生単独で出演したアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL 2022』も半年の間に経験したということを踏まえると、どれだけ濃厚だったのかが分かる。

 5期生曲は、井上和がセンターの「絶望の一秒前」、菅原咲月がセンターを張る「バンドエイド剥がすような別れ方」の2曲。4期生から番組の看板を受け継いだ『新・乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)ですでに明らかなように、5期生のパフォーマンス能力は驚くほどに高い。『乃木坂工事中』(テレビ東京)の企画で絶賛されていた井上の表情の豊かさ、中西アルノだけでなく五百城茉央、奥田いろはといった抜群の歌唱力を誇るメンバーの多さ。「バンドエイド剥がすような別れ方」のMVは急成長する5期生の今を閉じ込めた映像。特に菅原、井上と一緒にフロントに立つ川﨑桜は、底知れない魅力を秘めたメンバーである。

乃木坂46『バンドエイド剥がすような別れ方』

 6月頃から5期生はファッション誌や漫画雑誌、アイドル誌といった多くのメディア誌を席巻し始めており、8月26日放送の『MUSIC BLOOD』(日本テレビ系)に5期生単独で出演することはその勢いの表れと言える。3期生や4期生のように、一人ひとりがそれぞれのフィールドで活躍する日もそう遠くはないだろう。5期生11人は未来の担い手、乃木坂46の希望の光だ。

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