M!LK、メジャー第2弾シングルが自身初のチャート首位 多彩な楽曲群でグループの可能性広げる一枚に
一方で、通常盤に収録されているカップリング曲「シアワシェイク」は、アップテンポなパーティーチューン。歌い出しの〈フェリチータ〉〈クシー ハピネス〉〈オリ ルッカ ハミンギャ〉といった、意味よりは語感を意識した節回しがされており、音から言葉に至るまで、難しいことは考えずとにかく楽しもうといった解放感あふれる作りが面白い。またオーディエンス参加型の作りにもなっているため、ライブでの盛り上がりも期待できそうだ。作詞はイワツボコーダイ、作曲は松坂康司、編曲はeimiが担当している。
また、初回限定盤の収録曲「最愛」は作詞・作曲・編曲すべてを園田健太郎が手掛けたバラード曲。ゆったりとしたリズムの上で、繊細なピアノと流麗なストリングスの響きに、メンバーたちの優しく語りかけるようなボーカルや力強いユニゾン歌唱がマッチしている。表題曲同様にこの曲も日本語主体の歌詞が美しく、とりわけ〈僕の両手が傘になる 君の涙を引き受けよう〉の一節は秀逸だと感じる。
総じて、どの曲も見事に歌いこなすM!LKというグループの懐の深さを感じる。緻密な歌詞によるダンスナンバーを表題に据えつつも、解放感抜群のポップソングから、聴く者の涙を誘うようなバラードまで、異なるタイプの曲を集めた今作は、彼らの秘めたる可能性を押し広げたリリースだ。