岩橋玄樹、Ado、西川貴教、Ayumu Imazu、Liella!……8月10日リリースの新譜5作をレビュー
Ayumu Imazu『Pixel』
14歳からニューヨークでのアーティスト留学を経験。アメリカと日本を行き来しながら、歌とダンスはもちろん、作詞作曲、コレオグラフなども手がけるマルチタスクな表現者に成長したAyumu Imazu。1stアルバム『Pixel』は現時点での集大成であり、昨夏のメジャーデビュー以降の成長を実感できる作品だ。Ryosuke Imai、yonkeyなど国内のプロデューサー、さらに海外のクリエイターも参加し、グローバルポップとJ-POPを結びつけるサウンドを実現。英語的なフロウに日本語の歌詞を乗せるセンス、心地よいグルーヴと豊かな感情表現を併せ持ったボーカルも確実に進化を遂げている。リード曲「Over You」における、官能性を漂わせる歌声も魅力的。本作によって彼は、海外でも通用するアーティストへとまた一歩近づいた。(森)
Liella!『追いかける夢の先で』
『ラブライブ!スーパースター!!』に登場するスクールアイドルグループ・Liella!から、TVアニメ2期のエンディング主題歌「追いかける夢の先で」を表題としたニューシングルが届けられた。このタイトルが表しているように、同曲では夢の先へと歩んでいく決意が歌われており、サビの〈いっぱい笑おうってさ 歌おうってさ 伝えたいから/まだまだ遠くへ行こう/広がる世界 変わってく景色もあるけど/変わらない情熱は!〉という一節は、特に感動的な響きを放っている。この歌詞はTVアニメ2期の物語だけではなく、この現実の音楽シーンで奮闘するキャストの物語とも重なり合っている。彼女たちは、8月の『SUMMER SONIC 2022』への出演(東京会場のみ)、また、年末から来春にかけて、大阪城ホールやベルーナドームを含む3rdライブツアーの開催も決定している。アニメの世界を超えて、〈まだまだ遠くへ行こう〉という意志を掲げる彼女たちの今後の展開に期待が高まる。ミディアムバラードの表題曲とは対照的に、爽やかなエネルギーが漲るカップリング曲「水しぶきのサイン」も素晴らしい。(松本)