櫻坂46、バラエティ番組に臨む姿勢の変化 ポジティブな意識が『そこさく』に与える活気
8月3日に1stアルバム『As you know?』を発売した櫻坂46。ここまでにリリースした4枚のシングルの他に待望の新曲も収録されており、グループの今を感じ取れる作品になっている。改名から約2年に渡る期間の成長の軌跡がある意味でこの1枚に収められていると言えるだろう。
そんななか、先日放送された冠番組『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)は夏をテーマにチームに分かれて対決する「THE夏MATCH!!」の最終回。メンバーたちが御神輿を担いで障害物競争したり、怖い話を披露し合ったりと、夏感のあるさまざまな企画にメンバーが挑んで番組を盛り上げた。法被を着たメンバーたちはいつも以上にテンションが高く、放送はまさにお祭りのような状態に。どのコーナーも大いに盛り上がり、終始スタジオの活気が画面越しにも伝わるようだった。
心機一転で新しい道を歩むことを選んだグループの、その一つの成果がこの番組の盛り上がりにも表れていたと感じる。彼女たちは多くの点で変化した。
目に見えて変化した声とリアクションの大きさ
たとえば、あらゆる場面でメンバーたちが目に見えて大きな声を出すようになった。これは副キャプテンの松田里奈の影響が大きいだろう。松田はこの番組における合いの手やガヤの量で常にグループを牽引している。ガヤと言えば以前は一期生の小林由依が目立っていたが、小林の場合はトゲのある発言をボソッと呟くぼやきに近かったため、現在の番組の雰囲気とは異なるタイプのものだったと言える。
一方で松田の場合は、とにかく大きな声を出してその場の空気を湧かせる力がある。6月に放送された「三つ巴クイズバトル!」の際には、全問正解を喜ぶがあまり、大きな声を長い時間出し過ぎて一人だけ浮いてしまった場面があったが、これはむしろ周りを巻き込んで盛り上げていこうという積極的な姿勢が生んだものだろう。そして結局それもMCにいじられてしっかりとオンエアに乗っていたため、バラエティとしては結果オーライ。失敗を恐れず前に出ていこうとするポジティブな意識が爪跡を残したシーンであった。
またリアクションも明るく大きくなった。その筆頭が田村保乃である。田村は元々リアクションの大きいタイプのメンバーだが、ここ最近は特に笑う瞬間の映像がよく使われている印象だ。笑顔以外にも集中している表情や驚いて目を見開いている瞬間など、視聴者の反応を誘うようなリアクションが印象深い。
こうした大きな声出しやリアクションは、番組に次の展開をもたらす貴重な起爆剤にもなり得る。今のグループにはその場を盛り上げる力と、台本にない流れを作る重要な要素が揃っていると言えるだろう。